大分県の離島・保戸島にゲストハウス「若者増やし古里を活気づけたい」…広がる海や満天の星、緩やかな時間
「Bindama」管理人 中村聖也さん 37
大分県津久見市の離島・保戸島に、1日にオープンしたゲストハウス「Bindama（びんだま）」で管理人を務める。「びんだま」は、漁に使うガラス製の浮き。生まれ育った島での仕事に「IターンやUターンの若者を増やし、古里を活気づけたい」と意気込む。 【写真】大分県産の水産物の魅力語る「globe」KEIKOさんとマーク・パンサーさん
中学卒業と同時に島を出て、高校、専門学校と大分市で過ごした。21歳で愛媛県内の整骨院に就職した。
27歳の頃、祖母の介護のため津久見市に戻った。人と関わることが好きで、介護施設で働きながら、副業で観光客向けの島のガイドをしていたが、島の港を埋めていた漁船はまばらになり、若い人とすれ違うことも少なくなっていた。「活気がなくなり、寂しさを感じた」。島で暮らしたいと思ったが、仕事が見つけられず、かなわないまま月日が流れた。
転機が訪れたのは今年6月頃。親交のあった貸しスペース運営会社の社長から、ゲストハウスの管理人を打診された。「自分が関わって、島を活気づけたい」と引き受けた。
視界いっぱいに広がる海、満天の星……。島には、豊かな自然と緩やかな時間、隣人が気軽に訪ねてくる人同士の距離の近さといった魅力がある。「住民になった気分で、島のアットホームな空気を体感してほしい」と、人なつっこい笑顔を見せた。（山口覚智）
