仙台育英・須江監督、山口投手3位指名の瞬間にオリックスの帽子で祝福 「確信あった」
今年のプロ野球ドラフト会議で、仙台育英からは昨年の山田脩也選手（19）＝阪神3位＝に続き、今年はエースの山口廉王投手（18）がオリックスから3位指名された。歓喜の瞬間、立ち上がってガッツポーズ。その横で全身オリックスブルーの服装に身を包んだ須江航監督（41）が、オリックスの帽子を取り出し、笑顔で祝福した。朝起きた時から、「この瞬間」を予感していたという。 【写真】阪神・山田脩也の隣に名参謀あり ドラフトを伝えるテレビ中継に、師弟と野球部員が食い入るように見入っていた。須江監督は「指名されても、1、2位ではないので長くなりそうです」と報道陣に気を使った。 次々と指名を伝えるモニターに午後6時前、「山口」という苗字が読み上げられると、山口投手は立ち上がってガッツポーズ。目頭を押さえながら「うれしい」と、須江監督からなぜかオリックスの帽子をかぶせてもらった。 今年の夏は「絶対視」されて決勝まで進みながら、思わぬ乱調で甲子園行きを果たせなかった。「みんなを連れていけなかったのが悔しかった」とエースとしての責任を感じていた。 夏ごろからプロを意識し、一から体を作り直した。「まったく球の質が変わった。スカウトの方たちも驚いていました」（須江監督）。プロの道に迷いもあったが、両親や監督と話し合いを続け、今月志望届を提出した。 調査書を出したのは9球団で、プロからの関心も高かった。今後は「チームが求めている選手になって、なるべく早く活躍したい。目標はノーヒットノーラン」とうれしさをかみしめた。 同席した須江監督は今朝、偶然手にした靴下が紺色だったという。「オリックスさんの彼（山口選手）を見つめる熱量がすごく、一番可能性が高いと感じていました。僕の中では、（今朝）確信に変わりました」と指名を予感。下着に靴下、時計まですべて紺色で統一し、キャンプ視察の時にもらった関係者用の帽子まで会場に持ってきていた。 「今日は始まりの日。現役を引退するまで、悔しさを忘れないでほしい」と背中を押した須江監督。「青春って密」以来のサプライズで会見を閉めた。
