カンタベリー大主教が辞意 英国教会の最高位、少年虐待受け
【ロンドン共同】英国国教会の最高位ウェルビー・カンタベリー大主教(68)が12日、辞意を表明した。国教会関係者の男性が多数の少年らに虐待を繰り返した疑惑について、大主教は就任後に問題の報告を受けたが、対応を怠ったとして批判されていた。声明で「辞任は教会を変えていく決意の表れだ」と訴えた。 英メディアによると、男性は1970~80年代を中心に、英国とアフリカでキリスト教の信者を対象にした夏の行事の運営に携わった。そこで知り合った少年や若い男性らを自宅に呼び、性的虐待や棒でたたくなどの暴力行為をしたとされる。 2018年に死去するまで計約130人を虐待したとみられ、うち少年8人は棒で計1万4千回たたかれたという。男性は弁護士としても活動し社会的地位があった。 疑惑を巡り児童福祉の専門家らによる調査結果が先週公表され、ウェルビー氏は13年3月の大主教就任後の同年8月に虐待疑惑を知ったが、警察に被害を届けなかったと結論づけた。教会の内外から辞任を求める声が高まっていた。