世界最強の市販車は「日産アリア」か「ポルシェ911」! そう思わせる2台のクレイジーなジャーニー
「我々は、自動車をやる以上、一番困難な道を歩くんだということをモットーにやってきた」。そう語ったのはホンダの創業者、本田宗一郎だ。1964年、まだ日本人の多くが知らなかったF1に初めて参戦し、翌1965年のメキシコGPで初勝利を挙げた際のコメントだ。 【写真12点】世界最強の「日産アリア」「ポルシェ911」を写真でチェック この言葉にはさらにこう続く。「勝っても負けてもその原因を追求し、品質を高めて、より安全な車をユーザーに提供する義務がある」。彼にとってF1は「走る実験室」だったのだ。 しかしSUV全盛の今、今後もF1由来の技術だけで果たして間に合うのか?
そう思っていた矢先、ふたつの“冒険野郎”チームのニュースが飛び込んできた。 ひとつは北極から南極まで、地球を縦に走破した日産「アリア」。もうひとつは海抜6734mという世界新記録を達成したポルシェ「911」だ。
地球縦断をやって見せた“市販”の日産アリア
アリアといえば言わずと知れた日産のスタイリッシュな電気自動車。それで地球の端から端まで走ろうというのだから、さぞかし大容量のバッテリーを積んだのかと思ったら、挑戦したイギリスの冒険野郎、いや冒険夫妻のクリス・ラムゼイとジュリー・ラムゼイは、なんと市販のアリアを選択した。 では、充電用車両を併走させたかと思えばそうではなく、風力発電機とソーラーパネル、ポータブル充電ユニットを牽引しながら北極を出発し、赤道を越え、南極へ到達した。
極地から極地まで走るための39インチの巨大タイヤを装着し、それに合わせて足回りはセッティングされているが、バッテリーやパワートレイン、電動四輪の制御は市販車のまま。
マイナス30度からプラス30度の気温差、雪に覆われた氷河や、険しい山脈、広大な砂漠等々をものともせず、約10カ月間かけて約2万7000kmの旅を成功させた。
つまり、素のアリアは意外と(失礼!)スーパータフなヤツらしい。
あとは、この冒険に使われた牽引できる充電ユニットがあれば、誰もが北極から南極へオーバーランドを楽しめるかも!?