ミュージシャンSUGIZOが「アーティストとして当たり前」だと思うこと
4月22日は「アースデイ」。 「地球のことを考えて行動する日」として定められているこのアースデイに先駆け、先日4月6日には一般社団法人アースデイジャパンネットワーク主催の「アースデイジャパンオープニングイベント2024」が開催された。 【写真】世界的ロックバンドU2もライブで使用!SUGIZOさんと燃料電池自動車 そのイベントに、日本で初めてアースデイグローバルアンバサダーに任命された、ロックバンドLUNA SEA/X JAPAN/THE LAST ROCKSTARS/SHAGのギタリスト&ヴァイオリニストSUGIZOさんが登場。SUGIZOさんといえば、以前から難民キャンプ支援や、自身の音楽ライブ活動にも環境にやさしい仕組みを取り入れるなど、地球環境について深く考え学び、実践されてきた方だ。 ここ最近、春にも関わらず日本各地で記録的な夏日を記録し、地球温暖化を痛感せざるを得ない今、SUGIZOさんの目にこの社会はどのように映っているのだろうか? 自身がこれまでやってきたさまざまな活動エピソードや、地球にやさしい生き方・選択を模索する中でどのような思いを抱きながら実践されているのか、イベントで語られたことを本記事でもお届けする。 SUGIZO 作曲家、ギタリスト、ヴァイオリニスト、音楽プロデューサー。日本を代表するロックバンドLUNA SEA、X JAPAN、THE LAST ROCKSTARSのメンバーとして世界規模で活躍。ソロアーティストとしても独自のエレクトロニックミュージックを追求し、映画や舞台のサウンドトラックなども手がけている。
「学ぶのは好きです。常に学んでいます」
以前から、公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン(旧:日本フォスター・プラン協会)で貧困層の子ども支援などを行なっていたというSUGIZOさん。本イベントで司会を務めた、構成作家/サウンドデザイナーでありアースデイジャパンネットワーク共同代表の谷崎テトラさんが主催する環境イベントにも当時から自ら参加し、環境にやさしい社会を作っていくためにどんなことができるのか、学びに行っていたという。 「当時はちょうどLUNA SEAが無期活動休止期間だったんです(※編集部注:2001年1月~2007年12月まで活動休止)。今思うとたかだか7年間なんですけど、当時僕にとってはその7年は大きくて。でもその間、自分にとってよかったのは、個人で動けてものすごく勉強ができたこと。とにかく学びたかった。 もともと環境活動や平和活動にコミットしたいと思ったのは1998年から。そこから数年経ってもまだどうしたらいいのかやり方もわからなかったのもあって、とにかく一個人として学びたかったんですね。だからこそ、プライベートでフレキシブルに動けるというのは、とても都合が良くて。アースデイ東京のイベントにもよく行ったし、後によく出るようにもなったりと、さまざまに活動できるようになったんです」 その後、谷崎テトラさんと意気投合し、全ての楽曲で支援や平和、環境保全などのメッセージを込めることを前提に製作・活動を行う音楽ユニット「S.T.K」を結成。谷崎テトラさんがエレクトロ、SUGIZOさんがヴァイオリンを担当し、環境イベントを回って演奏する活動を20年近く続けてきた。そんな音楽ユニット「S.T.K」には『Rokkasho』という代表曲があるが、その楽曲が生まれた背景には、あの坂本龍一さんの存在があったのだという。 「青森県の六ヶ所村という地域に核燃料の再処理工場があって、それが非常に危険じゃないかということで、2006年当時、坂本さんを中心に僕らで動き始めたんです(※編集部注:坂本龍一による反原発プロジェクト『STOP ROKKASHO』)。坂本さんが“ムーブメントを作りたい”と、このために楽曲を作り、Shing02(シンゴ・ツー)という素晴らしいラッパーがラップして、発表したんですよね。 そして、坂本さんが僕らをはじめあらゆるアーティストに『この楽曲のデータ権利を解放するので、この楽曲をさらにリメイク・リミックス・再構築して、どんどんこのメッセージを発信してください』とおっしゃって。それで僕たちもその『Rokkasho』のリビルドをさせていただいて、“反核”のメッセージを込めて発信し続けてきたんです」 「一アーティストとして、自分の意志や特に環境、持続可能な社会に向けて発信することは今はもう当たり前になったと思いますし、逆にそういう意識を持っていないミュージシャンって本当に大丈夫か? と思うぐらい。だからこそ僕は、20年前と違って今は堂々と自分の立場でこのメッセージを発信できるし、発信していこうと思っています」