仕事で成功する人に共通する「勇気」とは?「冒険小説の最高傑作」著者の言葉が納得だった
ビジネスなどで圧倒的な結果を残すハイパフォーマーたちは、普通の人となにが違うのか。その一つが、己の「勇気」を計画的に育み、習慣化できることにある。ハイパフォーマーたちはなぜリスクを感じながらも行動することができるのか。そして、彼らが絶対に口にしない言葉とは。※本稿は、ブレンドン・バーチャード著、和田美樹訳『世界3万人のハイパフォーマー分析でわかった 成功し続ける人の6つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 誰かが恐怖に立ち向かうことで 勇気は周りに伝染していく 「勇気は、怖いもの知らずであるということではなく、恐れを感じながらも行動し、成し遂げることだ」というマーク・トウェインの名言には、心理学者たちも同意している。しかし、勇気を発揮しているうちにやがて恐れを感じなくなることは、多くの領域で起こり得る。 たとえば、心理学者たちは、パラシュートの訓練生のほとんどが、初めて飛行機から飛び降りるときは恐怖を感じ、勇気を振り絞る必要があるが、繰り返すうちに自信がついてきて、怖さを感じなくなってくる。 やがて、飛行機から飛び降りるという行為が、日常的に感じられ、爽快ですらあり、もはや恐怖を感じることはなくなる。研究では、爆弾処理班や、兵士、宇宙飛行士も同様である――すなわち、恐怖に直面する経験を積めば積むほど、恐怖やストレスを感じなくなることがわかっている。 この現象は誰にでも生じる。何かの成功体験を積めば積むほど、慣れていく。だからこそ今からもっと勇気ある人生を生きることが重要なのだ。恐怖に立ち向かう、自分を表現する、人助けをするといった行動は、やればやるほど、楽に、ストレスを感じずにできるようになる。
しかし、誰かが恐怖に立ち向かうと起きることはそれだけではない。勇気は、パニックや、臆病と同じように、伝染することがわかったのだ。あなたが人生に恐れを抱いている姿を子どもたちが見ていれば、彼らはそれを肌で感じ、真似するようになる。もちろん子どもだけでなく、チームや、あなたが指導する相手や、サービスする相手にも恐れは伝染する。あなたがもっと頻繁に勇気を出すことが、社会全体が美徳を身につける入り口となるのだ。 ● 肉体的勇気や精神的勇気など 4つに分類できる「勇気の定義」 勇気を定義し、分類するのは難しい。勇気という言葉が具体的に何を意味するかについてさえ、研究者のあいだでも意見がまとまっていない。結局、意見が一致しているのは、人がどんなときに勇気を出すのか、ということくらいだ。人が勇気を出すのは、リスク、恐怖心、行動を起こすに足りる相当な理由が存在するときである。 それでも、さまざまな種類の勇気について考察してみることは有益だ。 まず肉体的勇気とは、崇高な目標を達成するために危険な状況に身を置くことを指す。たとえば、車にはねられそうな人を助けに交差点に飛び込む、あるいは生きるために病気と闘うといったたぐいの勇気である。