なぜ学習塾はバタバタと倒産するのか? “厳しすぎる背景”に迫る
大学入試を目前にしたこの時期に突然、生徒130人を抱える東京・新宿の大学受験予備校「ニチガク」が閉鎖された。 【映像】「塾の厳しい懐事情」がひと目で分かるグラフ この報道について、日本大学危機管理学部教授/東京科学大学特任教授の西田亮介氏は「時期的には厳しい。共通テスト直前で、2月頃にかけて受験が本格化していく中での閉鎖が受験生に与える心理的負担は大きいだろう。また、業界的には先に授業料を収める形が一般的で、塾であれば新学年や新学期が始まる時期であるため、数十万円から百万円単位の学期分の費用を入金し、それが全く返金されないとなると3年生以外の生徒や家庭にとっても相当の負担のはずだ」と述べた。 昨今、学習塾を取り巻く環境は厳しく、東京商工リサーチによると2024年の学習塾の倒産は53件と2000年以降で過去最多だ。背景には「集団指導塾、個別指導塾、オンライン塾など多様化による競争激化」や「動画サイトを活用したオンラインの無料コンテンツなどの新たな脅威」があるという。 この点について西田氏は「ネット配信サービスが増えていることもあるが、何よりも大きいのは『止まらない少子化』であり、大学にも大きな影響を与えている。とはいえ、少子化は予見されていたため、2000年代から業界の再編は進んでおり、2010年前後には有力予備校が直営の校舎を閉めたり、衛星放送・DVD・ネット配信に注力したり、付加価値の高い中学受験塾の買収などを実行してきた」と実情を解説した。 (『ABEMAヒルズ』より)
ABEMA TIMES編集部