ペアで出場するはずだった夫の急死……3児の母が「約束を果たし」ボディコンテストに挑戦、優勝に輝く
9月7日(土)、 高崎市文化会館にて元俳優・タレントの金子賢さんが創設をしたフィットネスコンテスト『SUMMER STYLE AWARD(以下、サマスタ) 群馬予選』が開催され、佐藤舞子(さとう・まいこ / 36)さんがベティ部門マスターズクラスで優勝を果たした。少ない脂肪で引き締まっている身体が求められるこの部門。満37歳以上の選手で競われるマスターズクラスで優勝を勝ち取った佐藤さんの秘話に迫った。 【写真】佐藤舞子さんの丸いヒップと背中の筋肉
「ランニングや登山と身体を動かすことは昔から好きだったのですが、旦那と一緒になにか始めたいと考えていたとき、近所にジムがオープン。2年前から夫婦で筋トレを始めました。サマスタにはペアモデル部門という、2人1組のチームで参加できるものがあったのでいつか一緒に出場しようと話していたんです。そんな矢先の2年前、旦那が急死。出場をやめる選択肢もありましたが、旦那と目指していたからこそ今回は絶対に挑戦しようと決意し、今回のデビュー戦を迎えることができました」 初出場ながらパーソナルトレーナーは付けず、自身で試行錯誤をしながらトレーニングに励んできたという。 「トレーニングメニューはInstagramやTikTokでの筋トレ動画を参考に自分に合う種目を見つけ、取り入れていきました。上半身の筋量が少なかったので肩と背中のトレーニングには力を入れましたね。トレーニングは初心者だからこそ1回1回を丁寧に。自分のフォームを撮影しながら正しいフォームで効かせらているかを確認していました」 営業職として多忙な日々を過ごす佐藤さんは3児の母としての顔ももつ。仕事に家庭、そしてトレーニングとどのように両立を図っているのだろう。 「トレーニングは朝4時に起きて仕事前に時間を確保しています。営業職なので帰宅時間が遅くなることがありますし、休日に連絡がくることも。子どもとの時間も確保したいので、仕事後にトレーニングをする際は子どもの習いごとの送迎までの時間を利用して短期集中で行っていました。足りない練習時間はお昼休憩の自重トレーニングでカバーしていました」 最愛のパートナーを失った当初は人生最大の悲しみを感じたという佐藤さん。それでも明るく前を向けているのは3人の子どもがいるからだと語る。 「夫はスタイルもよくかっこいい自慢のパートナーでした。仕事も共にしてきていて、私がデザインをするお庭設計を夫が創り上げていく。この時間が私にとっては生き甲斐でした。そんな夫は生前から痩せている人が好きだと言っていて。たとえ亡くなっても、夫にとっていつまでもきれいで彼女のような存在で居続けたと思っています。そしてなにより、私は子ども達を守らなければいけない。トレーニングを通して頑張るママの姿を背中で見せたいと思っています。これからも変わらない私で居続けるためにも、筋トレで内面からも素敵な自分で居続けたいです!」
悲しみを乗り越え、明るく前を向き、一家の大黒柱として奮闘する佐藤さん。母であり妻の姿をパートナーは天国から応援し続けてくれているに違いない。 【SSAアンチドーピング活動】SSA(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
文:池田光咲 撮影:夏目英明