【新NISAでも狙える】3月期決算から見えてきた! 長期保有で値上がりが期待できる“プロ厳選4銘柄”
上場企業の2024年3月期決算は、最終的なもうけを示す純利益の総額が過去最高になったようだ。だが今期25年3月期はその伸びは鈍化すると見込まれ、株価も一時期に比べて勢いを欠いている。3月決算企業の発表が出そろった今、専門家にこれからどんな銘柄が狙えるかを聞いた。 【表】3月期決算発表から見えた! プロが選んだ4銘柄はこちら * * * SMBC日興証券が東証株価指数(TOPIX)採用銘柄のうち、金融を除く3月決算企業で5月20日までに開示した1289社の決算を集計したところ、24年3月期の売上高の総額は前年比5.3%増、本業のもうけを示す営業利益は17.6%増、純利益は15.4%増だった。 ■『堅め』の見通し しかし25年3月期は、売上高は前年比2.6%増、営業利益は2.7%増と、売上も利益も伸び幅が縮まる見通しだ。 国内の証券会社や外資系銀行の出身で金融文筆家の田代昌之さんは「企業の見通しは保守的にならざるを得ない」と指摘する。 「外国為替市場の見通ししだいで業績の見通しも大きく変わります。今のように相場の動きが激しい中では業績を見通すうえで円高になるリスクも想定せざるを得ません。今回の決算で企業が25年3月期の業績について『堅め』の見通しを示したのも当然と言えます」 企業はその決算期の間に想定される為替レートを前提に置いて業績の見通しを立てる。実際の為替相場の値動きが当初の想定とは違いそうだと判断したら、その時点で想定レートを見直し、売上高や利益の見通しもその水準に見合ったものに変える。
例えば、為替相場が当初の想定よりも円安に進んだ場合、輸出関連など円安が追い風となる企業は、業績予想を上方修正することとなる。 このため25年3月期も、これから為替相場の方向性がはっきりと見えてくれば、売上高や利益の見通しを引き上げる企業が増える可能性があるとみている。 ■節目の一つが中間決算 株式を取引するうえで注目したいのは、この修正がいつ起きるかだ。田代さんは言う。 「一般的に、第1四半期決算の発表時点では早すぎるでしょう。節目の一つが中間決算(第2四半期決算)発表のタイミングです。3月期決算企業は10月下旬から11月半ばにあたります。ここで業績見通しの修正が相次げば、株価の上昇も期待できます」(田代さん) 理論的に、株価はその割安度合いを示す投資指標「株価収益率」(PER=株価÷1株あたり利益)と、「1株あたり純利益」(EPS=最終利益÷発行済み株式数)との掛け算に分解できる。 つまり利益の上方修正でEPSの値が上昇すれば、株価も値上がりすることを意味する。 日経平均株価は2月の高値4万円台をつけた後はいったん値下がりし、今は3万8千円台の水準で推移する。田代さんは、この秋にも本格的な上昇局面入りする可能性は高いとにらむ。 「日経平均が『もみ合い』を続けているのは、為替市場を左右する日米の金融政策や米大統領選といった株式市場を左右する大きな動きの先行きが見通せないこともあります。でも、どちらも大統領選が予定される11月頃には方向性が出ている可能性が高い。ちょうど中間決算が発表されるタイミングと一緒です。ある程度の円安が前提になりますが、株価も業績見通しの上方修正を踏まえて上昇に向かうでしょう」