Dropbox創業者がMITで演説した「最も幸せで成功している人」になるためのヒント…「テニスボールを追いかける犬」になれ
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。 『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第26回 『経営で成功したいなら「努力はするな」...日本人が大好きな「苦労話」「スポ根」に隠された「罠」』より続く
「最も幸せな人」が「好きなことをしている人」とは限らない
成功した起業家は、苦労を苦労と思わず、むしろ楽しんでいます。まるで、ゲームで目の前のミッションを一つ一つクリアしていくように。ゲーム感覚というと誤解を招くかもしれませんが、本気で楽しく取り組んでいるのです。 Dropboxの創業者、ドリュー・ハウストンは、母校であるMITでのスピーチで次のように語っています。
「夢」を持て
---------- こう考えてみると、“最も幸せで成功している人たち”は“自分の好きなことをしている人”というわけじゃないんです。 ---------- ---------- “自分にとってのチャレンジを攻略することに夢中になっている人”で、その人にとっては、それがとても大切なことなのです。 そんな人たちは、“テニスボールを追いかける犬”に似ています。 ---------- ---------- そんな人たちの目は狂気を宿しているほどです。リードを振り払って、駆け出し、何があっても、ボールを追いかけます。 ---------- ---------- 私の友人にも、たくさん働いてたくさんお金を稼いでいる人はいます。でもみんな、仕事机に縛られているみたいだと愚痴をこぼします。問題は、多くの人が、すぐには自分のテニスボールを見つけられないということです。 ---------- 彼は、人生における成功のヒントについて「テニスボール」「サークル」「30000」の3つのキーワードで語るのですが、そのテニスボールのエピソードがこれです。 テニスボールは自分が本気で取り組めること、いわば夢です。それがあれば、それを追いかけ続けていくのは、夢中になれることです。いくらお金が稼げても、夢がなければ楽しくないし、愚痴が出てしまう。 ビジネスに苦労はつきものです。ただ、しなくてもいい苦労はしなくてもいいですし、苦労を楽しめる姿勢が重要なのです。夢中になれることがあればいい、それは楽しむことにつながる。別に、他人から「あの人、苦労して成功したんだよ、いい話だね」なんて言われる必要はまったくないのですから。 『日本企業を硬直させる恐ろしい「事例病」...米国名門バブソン大学で教えられる「失敗」へのマインドセット』へ続く
山川 恭弘