山口智子“旅”に興味を持つきっかけとなった紀行番組とは?「いまの時代に観ても全然古びていないというか、チャーミングで面白い」
◆「LISTEN.」プロジェクトへの想い
そうした思いが、「LISTEN.」プロジェクトの立ち上げに大きく関わっていくことに。山口さんは「例えば、いろんな民族が世界にいて、彼らが生きる力としている知らない音楽に触れるとゾクッとするんですよね。この音楽を聴きに行きたい、この歌を聴きに行きたい。彼らの祭りに参加しに行きたいって気持ちがリアルに芽生えてきて……。旅に出るときってちょっと勇気がいるじゃないですか、準備をしつつもちょっと怖かったり。そのときにやっぱり音がすごく背中を押してくれるので。こんな音楽を生み出しているところなら、もう絶対に間違いはないだろうという強い思いのもと(旅先に)向かうんです」と熱弁します。 最初に音を目指して行った場所として、山口さんが選んだのは「ハンガリーのブダペスト」。ここを旅行で訪れたときのこと。「たまたま通り過ぎたんですけど、夜が美しい都なんですよ。ちょっと暗闇があって、ドナウ川のほとりに灯りがポンポンと灯るような素敵な西洋の都で。そのときに夜の帳から聴こえてきた音楽が、ロマ的な音楽で。本人たちは誇りを持ってジプシーミュージックと言っていましたので、私もあえてここではジプシーミュージックと言いますが、超絶技法で聴こえてくるヴァイオリンの響きだったんですけど。もとを辿ると、彼らのロマ民族としての移動民族や騎馬民族だったりが、東から延々旅をして東洋の文化が西洋の文化と融合したりしながら、旅をしながら生まれ出てきた音楽というのが見えてきて。ハンガリーってロマミュージックに限らず、大衆の音楽にすごく豊かな土地なんですよ。ハンガリーで民族音楽の祭典にふらっと行ったときに、あまりのバリエーションの多さと深さに感動したんです」と振り返ります。 そこで、「私の旅はここから始めて、世界をめぐる旅にしようと。それは東と西が出会って結びついた土地であり、それで『LISTEN.=聴く』という言葉をもとに、プロジェクトを自分のなかで立ち上げました。世界のかっこいい音楽や、生きていく力になる音楽を追いかけて、それをかっこいい演奏と音に残して、みんなでシェアして感動し合えるようなライブラリーみたいなものを作りたいと。一種のタイムカプセルみたいなものですよね。地球のタイムカプセルというのがコンセプトです」と思いを語ります。 そんな思いをもとに、これまで世界のいろいろな国を訪れてきた山口さんですが、「国内はまだまだ行けていないので、(10月に迎える)還暦を機に、後回しにしてきたことにチャレンジしようと。国内を行きまくりたいと思っているので、自分でYou Tubeを立ち上げつつ、知っているようで知らなかった日本再発見というテーマで、奈良に行ったり、宮崎の高千穂の神話の地に行ったり、熊本と天草に行かせていただいたり。こんなに美しいところが残されていたのか……」と国内旅を振り返る場面もありました。 * 山口さんは、9月26日(木)~9月29日(日)までの4日間に渡って、東京ビックサイトにて開催される「ツーリズムEXPOジャパン2024」のスペシャルサポーターをつとめており、山口さんたっての希望で、28日(土)には小山と2人でトークイベントを実施予定です。 山口さんは「(旅に関する)ものすごい量の情報が集まっているので、1日かけても回れるかくらいの会場で、それぞれの情報を収集したり、たくさんの人との出会いがあると思います。ぜひ皆さん、会場にいらしてください。兼高かおるさんの映像も流す予定ですので、ぜひ観ていただきたいです」とアピールしていました。 (TOKYO FM「日本郵便 SUNDAY’S POST」2024年9月15日(日)放送より)