中川離脱で一丸オリックス 西野真弘がけん引、16安打7点
(パ・リーグ、楽天0-7オリックス、6回戦、オリックス4勝2敗、18日、楽天モバ)必死で左足を伸ばし、一塁ベースを踏みしめた。ベテランの全力の一歩が、チームにとっては大きな一歩になった。今季最多16安打と爆発した打線に火をつけたのはオリックス・西野だ。 「先制点を取りたい場面だったので、必死に走りました」 三回2死一、三塁で放った三塁へのゴロはイレギュラーでバウンドが変わった。三塁手・浅村がうまく反応し、一塁へワンバウンドで送球。西野も負けじと全力疾走で一塁を駆け抜けた。際どいタイミングも判定はセーフ。リプレー検証でも結果は覆らず。足でもぎとった先制点が流れを変えた。 五回にも左翼へ適時打で追加点を挙げると、以降は打線が面白いようにつながった。チームは7得点の大勝で借金を完済し、3月30日以来の勝率5割に復帰した。 チームに漂う不安を、西野が3度の快音で拭い去った。試合前に中川が左太ももの筋損傷で出場選手登録を抹消され、主軸の森は不振で2試合連続でベンチスタート。主力2人が不在の中で頼れる33歳がけん引した。 昨季まで2年連続で43試合の出場にとどまった西野にとって、10年目の今年は毎日が生きるか、死ぬかの戦いだ。定位置を目指す二塁にはゴンザレスや若手の太田らがおり、競争はし烈で「(試合で)使ってもらっているときに必死でやっている。食いついていかないといけない立場」と覚悟をにじませる。結果がものを言う世界でワンプレーにすべてを懸ける。チームの勝利とレギュラーを目指し、西野は身を粉にして戦う。(織原祥平)