人気トレーナーが解説する、ウォーキングを続けてもやせない科学的理由
食べていいカロリーは「34×なりたい体重」
── みなさんに、ぜひ覚えてほしいメソッドがあります。それは、1日に食べていいカロリーは「34×なりたい体重」だということです。この計算式には、どういった意味があるのでしょうか。 安静にしているときの運動強度を、「1メッツ」と表現します。この状態を24時間続けると、1×24で「24」。それに自分の体重をかけたものが、何もしなくても1日に消費されるカロリーです。体重50キロの人なら24×50、すなわち1200キロカロリーです。 ちなみに「2メッツ」は、立ってうろうろ歩いている状態。一般の人は平均して、だいたい「1.5メッツ」くらいの状態を続けていると言われています。1.5×24なので、「36」。ただし、正確にはそれより少し低い「34」くらいだということがわかっています。 すなわち、「34×体重」があなたが1日に消費するカロリーで、そのカロリーを摂取していれば太ることもないし、やせることもないんです。 もし、体重50キロになりたいとしたら、34×50で1700キロカロリーです。1日に1700キロカロリーしか食べていなければ、体重は50キロにならざるを得ません。それ以上の体重になることは、不可能なんです。 ── それを続けていると、いずれは目標の体重になるということですね。 いつなれるのかわからない状態では、モチベーションが上がりませんよね。なので、あなたの場合、このくらいのことをやっていれば、このくらいの期間でなりたい体重に到達できますよ、ということを計算で出せるようにしています。 ── 急激に減らそうとするのではなく、ちょっとずつ減らしていくことが大事なんですね。 やせるには一生懸命、頑張らないといけないとみなさん思いがちです。もちろん、頑張ることがダメというわけではありませんが、その頑張りはどれだけ続くでしょうか。 きつい言い方かもしれませんが、長い年月をかけて太ったんです。なのに、なぜ短期間で変わることができると思うのでしょうか。長い年月をかけて太ったのなら、長い年月をかけてやせましょう。みなさんには、そうお伝えしたいですね。 たしかに「1か月でやせられる」といった話を聞くと、魅力的に感じるかもしれません。でも、極端なことをしても絶対に続きません。ちょっとずつ減らしていくほうが、長い目で見れば早く、確実にやせることができます。 おそらく、みなさんが太ってしまったのは、「ほんのちょっとしたこと」の積み重ねだと思います。ほんの一口多く食べるとか、ほんのちょっと運動しなくなったとか、そうしたことを長い年月くり返してきたせいで、現在の状態になっているのではないでしょうか。 だったら同じことです。長い年月をかけて太ってしまったのなら、長い年月をかけて、ほんのちょっとずつ落としていく。それが道理と言えるのではないでしょうか。