シマの文化を体現 子ども島口・伝統芸能大会 瀬戸内町
鹿児島県瀬戸内町の第19回子ども島口・伝統芸能大会(町教育委員会主催)が9日、同町古仁屋のきゅら島交流館であった。町内の全小中学校を含む13団体から、園児や高校生も含め200人を超える子どもたちが参加。保護者ら大勢の観客を前に、島唄や島口劇、伝統芸能などを通じてシマ(集落)の文化を体現し、会場を沸かせた。 子どもたちが島口を身近に感じ、地域の人々との触れ合いの中で集落の文化や伝統を学ぶことや、郷土への関心と誇りを持つ心を育てることが目的。 古仁屋地区の永井島唄・三味線教室の小中学生による島唄「朝花節」を皮切りに、八月踊りや太鼓演舞、演劇など多彩な演目が繰り広げられた。 与路小中学校の6人は「かぐや姫」を題材にした創作劇「スティツくわ」を発表。運動会で使用するソテツのナリ(実)を取るために山に入り、ソテツの幹を切るとソテツの子が出てきて、集落の人たちと交流する話。先生が書いた台本を地域住民が島口に訳し、子どもたちに教えたという。上演後子どもたちは「楽しかった」「島口の勉強になった」と笑顔だった。 児童・生徒数2人の池地小中学校は、会場の大きな手拍子を受け三味線で3曲を披露。発表後、小学6年の児童は「緊張したけれど、うまくできた。島唄を引き継いでいきたい」、中学2年の生徒は「手拍子がうれしかった。三味線を続けたい」と話した。 嘉鉄小学校子ども会の演目は、島唄「稲すり節」に合わせて踊る伝統芸能の「嘉鉄豊年踊り」。披露予定だった9月の豊年祭は台風で中止となった分、演技には力が入った。同小6年の児童は「みんなで曲に合わせてしっかり歩けた。100点満点」と笑顔を見せた。
奄美の南海日日新聞