源氏物語のあのシーンが…!見つけたくなるオタク心 「光る君へ」ライブで楽しめる〝幸運さ〟
紫式部を主人公としたNHK大河ドラマ「光る君へ」。SNSでは、リアルタイムで視聴する人がタグをつけておのおのの思いを発信しています。平安文学を愛する編集者のたらればさんは「大河ドラマになったことで、多くの人と〝ライブ感〟を味わえる幸運を感じています」と話します。(withnews編集部・水野梓) 【画像】たらればさんの〝最推し〟清少納言も登場 「1年、情緒がもつのか…」
源氏物語のシーンを見つけたいオタク心
脚本の大石静さんは「光る君へ」にさまざまな『源氏物語』の印象的なエピソードをちりばめています。 代表的なものでは、第1回「約束の月」で、幼少期の紫式部であるまひろが、かごの中の小鳥を逃がして追いかけ、三郎(道長)と出合うシーンがありました。 たらればさんは「これは、『源氏物語』「葵」のなかの、雀の子を犬君(女房)が逃がしてしまい、泣いている紫の上を光源氏が見初めるシーンを意識していますよね。幼い姫君が小鳥を逃がしたことで貴公子に出合うわけです。にくいな~と思いました」と話します。 直近の第7回「おかしきことこそ」では、女性の品定めをする男たちの会話を、まひろが聞いてショックを受けるくだりがありました。第3回「謎の男」のなかにも、若い男たちが女性を品定めするシーンがあります。 『源氏物語』「帚木」では、ある夏の日、雨の夜、光源氏のもとに頭中将たち男性貴族がやってきて、女性の好みや「質」を評するエピソードがあります。 たらればさんは「本家の『雨夜の品定め』は、ドラマよりさらにゲスいです。『女は中流がいい』だとか、『賢い女はつまらない』とか言い合っています。そういう(今の価値観でいうと)下品な話を、光源氏(≒道長)がほぼ聞いているだけ、というのは似ているかもしれません」と指摘します。 「こんな風にオマージュをちょいちょいと入れ込まれると、元ネタを見つけたくなるのがオタク心。視聴者としてのたしなみですよね」と笑うたらればさん。 「探すだけでもワクワクしますし、改めて源氏物語を読み直さなきゃいけないな…と思いましたね。それにしても、どこがどう出てくるか分からないので油断ならない。メモをとるか画面に見入るか呟くか、毎回毎秒迷っています」