全国体力テスト 静岡県内小5男女、中2女子で最低更新
スポーツ庁が全国の小5と中2を対象に実施した2024年度全国体力テストについて、静岡県教委は20日、県内公立学校分の結果を公表した。合計点は小5男女と中2女子が08年度の調査開始以来最低を更新。小5は入学直後に新型コロナウイルスによる一斉休校を経験した学年で、長く続いた行動制限の影響が結果に表れたとみられる。 【表】全国体力テストの平均成績(静岡県内公立学校分)
■新型コロナの行動制限 結果に影響
県内で小5が2万8278人、中2は2万5857人が4~7月、握力や50メートル走、立ち幅跳びなどに参加した。各項目の結果を10点満点で評価した合計点は、小5男子が51・74点(前年度比0・24ポイント減)と下げ止まり状態が続き、小5女子は53・83点(同0・40ポイント減)、中2女子が48・39点(0・43ポイント減)と減り幅が大きかった。一方、中2男子は42・48点(同0・73ポイント増)と大きく点を伸ばした。
項目ごとの結果は小5(全8項目)は男子が5項目、女子は6項目で前年度を下回った。上体起こしは男女とも回数を伸ばしたが、全国平均には届かなかった。中2(全9項目)は女子が7項目で前年度を下回った。男子は6項目で上回り、長座体前屈は過去最高の数値を記録した。中2は男子の握力が全国平均を下回ったが、それ以外はいずれの項目も、男女とも全国平均より高かった。
■「運動好き」増、回復の兆しも
運動習慣について児童生徒が答えた調査では、体育・保健体育の授業を除く1週間の運動時間は、前年度と比べて小5女子が10・5分、中2男子は14・9分長くなった。小5男子と中2女子はほぼ横ばい。
コロナ禍以降、テスト結果の低下傾向は続くが、「運動が好き」と答えた児童生徒の割合は小5男子72・6%、同女子54・4%、中2男子が66%とコロナ禍前の19年度の数値を上回り、回復の兆しも。子どもたちの体を動かす習慣づくりに向け、県教委は小学生向けの「体力アップコンテスト」への参加促進や実技指導協力者の派遣、中学校の体育教員向けの研修会などに力を入れる。