全市町村の財政「健全」 和歌山県内、23年度決算
和歌山県は県内30市町村の2023年度決算に基づいた健全化判断比率(暫定値)を公表した。全ての市町村で、財政は健全と判断された。 【男性職員育休63%に急上昇 早期に100%達成を、和歌山県の記事はこちら】 健全化判断比率は借入金の返済額を指標化した「実質公債費比率」、将来負担すべき実質的な負債を指標化した「将来負担比率」、一般会計などの実質赤字額を指標化した「実質赤字比率」、公営企業会計を含む全会計を対象に実質赤字額や資金不足額を指標化した「連結実質赤字比率」の4指標の総称。 このうち一つでも一定基準以上となった場合は計画を策定し、健全化を図らなければならない。 「実質公債費比率」は数字が大きいほど資金繰りの程度が悪いとされる。最も高いのが由良町の13・2%で、有田川町と御坊市の13・1%、橋本市の12・2%が続いた。起債時に知事の許可が必要になる18%、早期健全化基準の25%、財政再生基準となる35%を超えた市町村はなかった。最も低いのは岩出市の3・3%だった。 「将来負担比率」は数字が大きいほど、将来財政を圧迫する可能性が高いとされる。350%以上で早期健全化基準となるが、最も高いのが由良町の132・3%だった。このほかは御坊市の86・1%、和歌山市の84・9%など。田辺市や上富田町、すさみ町など18市町村については将来の負担を上回る資金が確保されているため数値は出なかった。 「実質赤字比率」と「連結実質赤字比率」については、全市町村で赤字がなかったため、数値は出なかった。 市町村が経営する公営企業会計では、97会計のうち有田市の病院事業会計で資金不足が生じた。
紀伊民報