<杉良太郎>芸能活動60年、80歳で声優初挑戦 歴史劇場版アニメシリーズ最新作で親鸞聖人役 櫻井孝宏、中博史も出演(コメント全文)
「煩悩にまみれた私はとても救われない」と絶望し、比叡山を下りた親鸞は、京都の町で、「煩悩あるがままで救われる」と説く人生の師・法然上人に出会い、その教えによって、ついに苦悩の解決の道を知ることに至る。そして、玉日姫とも感動の再会を遂げ、共に法然上人の教えを聞くようになった2は、ますます惹(ひ)かれ合うようになっていく。僧侶と関白の娘、決して結ばれないはずの2人だったが……。
映画のポスタービジュアルも公開された。京都の町並みを背景に、凛々(りり)しい⻘年期の親鸞聖人を大きく配置。さらに、親鸞聖人と関白の娘・玉日姫が橋の上で運命的な再会を果たすシーンも描かれている。
杉さん、櫻井さん、中さんのコメント全文は以下の通り。
◇杉良太郎さん
今回のオファーをいただいて、偶然に収録時期が少し遅れ、ちょうど80歳になった私が、80代の親鸞聖人の声を演じることに不思議な縁を感じました。親鸞聖人ですから、どういう方だったのか想像できませんし、人間でありながら、神様に近い存在の方なので、私がその親鸞聖人の声を演じていいものか考えました。アニメのアフレコは初めてで、自分の引き出しにはない仕事でしたので、いつもにもなく不安に思っていました。
本作のテーマである「人はなぜ生きるのか」「どんな目的があって生きているのか」は、自分の経験の中から、自分も実際に悩み、苦しみながら生きてきたこととも重なりました。今まで、さまざまなところで福祉活動をしてまいりましたが、知的障害や重度身体障害者施設などを訪問することもあり、実際に会って触れて感じて、こちらが教えてもらうこともありました。バングラデシュ・ダッカの「愛の姉妹会」という孤児院に行った時、子供たちがロボットみたいに全然動かないし、まばたきさえしないことに驚いたことがあります。理由は、栄養失調。とっさにその時に持っていたあめ玉を一つあげたら、あめ玉をじっと持って、5、6秒かかってやっとペロッとなめる。施設内をまわって、帰りがけに「今すぐ食べるものを持って帰ってくるから」と言うと、その子たちがみんな手を振ったんです! まばたきもできない子があめ玉一つで手を振るエネルギーを得ることに考えさせられました。