妻との再会を果たすため、オーエン・マッケン“ギャヴィン”らが基地に乗り込み最終決戦へ<「ラ・ブレア」シーズン3 最終回>
オンライン動画配信サービス「Hulu」にて、全話独占配信中の海外ドラマ「ラ・ブレア」シーズン3(※シーズン1&2も配信中)。最終回となる第6話では、ギャヴィン(オーエン・マッケン)たちがイヴ(ナタリー・ジー)を捜す様子が描かれた。本記事では、考察を踏まえながら第6話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます) 【動画】オーエン・マッケンらキャスト陣が「ラ・ブレア」シーズン3の魅力を語る ■「ラ・ブレア」とは 本作は、突如現れた巨大な陥没穴の先に広がる紀元前1万年前の世界を舞台にした、アメリカ発祥のSF超大作。陥没穴によって引き裂かれてしまった家族が元の世界で再会するため、予測不能なサバイバル劇が繰り広げられる。 シーズン1は、アメリカにおける18~49歳の視聴者数で2021年秋ドラマNo.1を記録。そんな本作の脚本・製作を務めるのは、犯罪捜査ドラマ「THE MENTALIST/メンタリスト」や「NCIS:ニューオーリンズ」で脚本を務めたデヴィッド・アッペルバウム。 ファイナルシーズンとなるシーズン3では、生存者たちが協力し合いながら様々な脅威と戦っていくうちに、登場人物たちは陥没穴に関する恐ろしい事実を知ることになる――。 キャストには、陥没穴の中に落ちてしまったハリス家の母親・イヴ役をドラマ「ザ・フォロイング」シリーズに出演したナタリー・ジーが演じる。父親のギャヴィン役は、映画「バイオハザード:ザ・ファイナル」のドク役や、ドラマ「ナイトシフト 真夜中の救命医」で主演を務めたベテラン俳優のオーエン・マッケンが務める。 また、ハリス家の長男・ジョシュ役には、TikTokerとしても活動する新進気鋭の俳優ジャック・マーティンが、長女・イジー役には、作中での義足姿が注目を集めた新人俳優ザイラ・ゴレッキが抜擢。 その他にも、ギャヴィンの友人で空軍パイロットのリーヴァイ役を、ドラマ「グッド・ドクター 名医の条件」で医師役を演じた名門スタンフォード大卒の俳優ニコラス・ゴンザレスが務め、娘と一緒に穴に落ちた医師のサム役を、ドラマ「シカゴ P.D.」など数多くの作品に出演するジョン・セダが演じている。 ■長期収容所で発見した意外な人物とは… 1965年のロサンゼルスへやって来たギャヴィン(オーエン・マッケン)たち。ヘレナの先導で、イヴ(ナタリー・ジー)がいると思われる長期収容所を目指した。一方、サム(ジョン・セダ)は病院に連絡を取り、娘のライリー(ヴェロニカ・セント・クレア)の居場所を突き止めた。そしてサムは病院へ、ギャヴィンとヘレナとイジー(ザイラ・ゴレッキ)は収容所へと向かう。 しかし収容所にイヴの姿は見あたらず、それどころかヘレナが見つけた囚人リストには“紀元前1万年の基地に移送”と書かれていた。ギャヴィンはヘレナにサーバーの破壊を任せ、イヴが向かったであろうオーロラへと急いで戻る。 その頃、サムはやっとのことでライリーと再会する。しかし60年代の技術では抗生物質もなく、ライリーは非常に危険な状態だった。サムは意を決して、「ライリー、この手術でお前を助ける」と、自分の持つ技術でライリーの手術に当たることにした。 ギャヴィンとイジーはオーロラに戻ると、ちょうどそこを通ろうとする軍用車を発見する。しかし車の中にいたのは、イヴではなくジョシュ(ジャック・マーティン)だった。思わぬジョシュとの再会に喜ぶギャヴィンとイジー。 ジョシュが言うには、1965年でライリーを入院させたが、外に出た瞬間軍人たちに捕まり、イヴと一緒に檻に入れられてしまったそうだ。しばらくして今日の移送のことを知り、看守に激しく抵抗したところ注射を打たれてしまったという。そしてジョシュの記憶はそこまでで、イヴが今どこにいるのかは分からないとのことだった。 するとそこへ施設からヘレナが駆け付ける。ヘレナは看守と戦っていたイヴを助けるが、そこに新手の看守がやって来て、ヘレナだけが抜け出してきたという。イヴを助けるにはやはりマイクロチップが必要だと考えたギャヴィンたちは、イヴの意思に従い、紀元前1万年に戻っていった――。 ■いよいよマヤの基地に潜入するギャヴィンたち 紀元前1万年では、スコット(ロハン・ミルチャンダニー)が第5話で捕らえた軍人の荷物から、タイ(チャイク・オコンクォ)の妻・パアラの指輪を発見した。軍人に問い詰めたところ、廃村を巡回中に恐竜に襲われて亡くなった村人の近くで見つけたと話す。 タイは急いで廃村へと向かい、多くの犠牲者の中から必死にパアラを捜すと、がれきに埋もれたパアラを発見する。タイとスコットは協力してパアラの救出に成功し、タイとパアラは感動の再会を果たす。 その頃、ギャヴィンたちは紀元前1万年に戻ってくる。急いで車で基地へ向かおうとすると、恐竜が後ろから迫ってくる。ギャヴィンはそれを逆手に取り、恐竜を引き連れてマヤのいる基地へと向かった。 恐竜が侵入すると、基地内は大パニックに。その隙をついてギャヴィンたちは建物内の侵入に成功する。そしてギャヴィンはマイクロチップを手に入れ、ペトラを救出して建物の外へ。するとそこにはマヤと大勢の軍人が待ち構えていた。そこへ他の村人たちが援護にやって来て、激しい戦闘が繰り広げられる。 そんな中、遠くの方で何かが爆発する音が鳴り響く。確認すると、時代を行き来するオーロラが閉じてしまっていた。絶望の淵に立たされた一行だったが、その時ギャヴィンが“タイムマシン”の存在を思い出す。 こうしてギャヴィンたち一行はタイムマシンに乗ろうとするも、マヤがジョシュを人質に取りマイクロチップを要求してくる。やむを得ずギャヴィンはマヤにチップを投げるのだが、その瞬間にヘレナがマヤを射殺。ギャヴィンの操縦で、一行は無事に2021年のロサンゼルスへ帰還したのだった――。 その後、ヘレナはギャヴィンに「イヴを見つけて、家族を取り戻してね」と告げて立ち去ろうとするが、以前から家族の愛に飢えていた、実の妹であるヘレナに、ギャヴィンは家族との食事の席に誘った。また、ジョシュはライリーと再会し、ヴェロニカのお腹の子どもも順調な様子。スコットもペトラを祖父母の家に連れて行くなど、生存者たちは日常に戻っていったが、イヴだけは一向に見つからない…。 そんな時、ギャヴィンはふと、昔イヴと“互いを見失ったら落ち合おう”と約束していた場所を思い出す。ギャヴィン、ジョシュ、イジーの3人がその場所に向かい何時間も待っていると、ついにイヴがやって来る。家族全員がようやく再会し、「家に帰ろう」と4人は仲睦まじく家へと向かう中で、物語の幕は閉じるのだった――。 ■“タイムトラベル”を通して友人や家族の大切さに気付かされるシーズン3 通算3シーズンに及んだ本シリーズも、ついに完結となった。心が離れ離れになったハリス一家が、思わぬ陥没穴の登場により離れ離れになり、再会を果たすためにそれぞれ奮闘する様子が、壮大なスケールで描かれた。 “タイムトラベル”という軸を通して友情や家族愛を描いた本作。“友人”といえば、ギャヴィンとリーヴァイ(ニコラス・ゴンザレス)の関係は外せないだろう。リーヴァイはもともとハリス夫婦が離れている間イヴと恋仲になり、一時はギャヴィンとの仲は最悪になってしまう。 しかしシーズン3で、リーヴァイは自分を犠牲にしてまでハリス一家を守る行動に出る。それによってギャヴィンはリーヴァイを完全に許したものの、リーヴァイはその後亡くなる展開に…。しかし、最後にギャヴィンから本当の意味で“ゆるされた”ことで、リーヴァイは後悔なく人生を終えられたのではないだろうか。 そして同シーズンでは、ハリス一家とヘレナ、サムとライリー、ルーカスとヴェロニカ、タイとパアラなど、たくさんの家族が登場する。それぞれ抱えている問題は異なるが、ピンチを迎えるたびに相手への想いを再確認していき、周りの生存者たちと協力し合いながら関係を修復していく様子は見どころの一つだ。 登場人物の友情や家族愛を通して終結した本作。偶然陥没穴の近くにおり、“タイムトラベル”を通して出会わなければ、知り合うこともなかった仲間や愛する人もいる。家族や友人の大切さはもちろん、偶然の出会いが大切な存在に繋がることもあるということを、本作から教えてもらったような気がする。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部