小鹿野高が「総合的な探究の時間」ツアー 町や卒業生が協力し地域を学ぶ
小鹿野高校(小鹿野町小鹿野)2年生38人が11月28日、町の中心市街地を巡りながら地域の魅力を探る授業「総探ツアー2」に取り組んだ。同校の「総合的探究の時間」の授業の一環で、生徒は9班に分かれてウオーキングラリー形式で町内を巡りフィールドワークを行った。(秩父経済新聞) 【写真】(右から)「墨鹿屋」の村岡さんと大西さん 10月に行った「総探ツアー1」では、渓谷やダム、寺社などをバスで巡るツアーを行い、生徒たちは町の自然や観光資源に触れた。今回はその続編として、生徒たちは「ものづくり」「人」「行政サービス」「歴史」をテーマに、事業者や史跡について、「インタビューを通じて理解を深める」というミッションに取り組んだ。歩いて回れる範囲に設定されたコース約5キロの中で「秩父富士」「須崎旅館」「キネマ跡地」「一二三屋」など15カ所を訪問した。 「越後屋旅館」を訪れた生徒たちは、主人の飯塚功さんに事業内容や小鹿野町への思いなどを質問。飯塚さんは「小鹿野高校の『竹あかり同好会』と一緒に活動したことがあり、そういった取り組みが地域を元気にするきっかけになると感じる。商店街の一員として町を盛り上げたいし、小鹿野高校の生徒たちには、これからも町の活動に関わってもらえたら」と話していた。 同校生徒の3割ほどは町内在住だが、その他の秩父郡市や寄居町など小鹿野町外から通っている生徒も多い。参加した女子生徒の一人は「前回のツアーではダリア園にも初めて行き、想像以上に広くて驚いた。地元のことでも、知らないことが多いことに気づかされた。今回の授業を通して、町について知るきっかけになった」、授業を担当する島田大輔教諭は「2年生はまず町を知り、3年生は地域のPRを考えていくうえで、役場や地域の協力が大きな支えになっている」とそれぞれ話す。 ミッションを終えた生徒たちは町役場の議場に集合し、ミッション達成を記念してイベントが行われた。同町総合政策課の職員が司会を務めて場を盛り上げ、同校OBであるパフォーマーの村岡友憲さんが率いるユニット「墨鹿屋(すみろくや)」によるパフォーマンスが披露された。村岡さんと大西まさしさんは軽快に掛け合いをしながら刀剣やヌンチャクや三節棍(さんせつこん)を用いた演舞で始め、今月15日に村岡さんらが行う「サーカス歌舞伎」のショートバージョンとしてチェアバランシングや墨絵ライブペイントを取り入れた公演を披露した。 その後、森真太郎町長から「ミッションコンプリート証明書」の授与、植田雅浩校長からの激励なども行われた。森町長は「学校と町が連携して授業を行うことは、地域と学校のつながりを感じられる大切な機会。卒業後に小鹿野町を離れる人も多いと思うが、大人になってまた戻り、町を引っ張っていく存在になってもらえたら」と期待を込める。 村岡さんは「地域には子どもたちを真剣に見守り、応援する大人がたくさんいることを覚えていてほしい。自分も10~20代の若い世代に興味を持ってもらえるように努めていて、彼らが大人になったときに何を感じるか、成果が見えるのは10年後や20年後かもしれないが、それが一番の近道だと思う」と話す。 後日、インタビュー後に撮影したスナップショットやインタビュー報告を掲載した「小鹿野マップ」の作成を予定している。
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