ゲーム大手Ubisoftが“週3出社義務”を提示、大規模ストライキに発展 他国や業界内への波及も進む可能性
フランスのゲーム開発大手Ubisoft(ユービーアイソフト)が打ち出した「週3日のオフィス勤務」を従業員に義務付ける方針をめぐり、欧州での反発が広がっている。先月末、フランスのゲーム開発労組STJVがストライキを呼びかけており、先日10月15日から3日間にかけて実施された。 【関連】労働組合が告知したストの実施内容・ポスト
9月末に予告された「ストライキ」参加呼びかけに700名規模が参加
現地紙や労組発表によれば、10月15日から17日にかけての3日間のストライキに700名以上の従業員が参加を表明していることがわかった。フランスでのスト実施は今年2月以来2度目になるという。また、このストライキは他国にも広がっており、イタリア・ミラノ支社の労働組合も賛同の姿勢を示していおり、1日のストライキを実施する構えを示していた。 この労使での対立は、同社が人気シリーズ「アサシンクリード」最新作の発売延期を発表した直後に表面化していた。先日発売された新作コンソールタイトルの販売不振などにより、かねてより同社株は10ユーロを割り込むまでに急落。経営陣の刷新や非公開化を含む抜本的改革を求める声も株主から上がっており、社内外からの圧力が強まっていた。 フランスの労組は呼びかけ当時、現行のフルリモート可の制度により「効率的なリモートワークを続けてきた多くの同僚が、家族生活や住居、育児などの面で新たな生活を構築している」と指摘。今回の方針転換について「従業員の離職やゲームプロジェクトの混乱、さらには残留する従業員の心理社会的リスクの著しい増加を招く」と懸念を表明していた。 フランスのではスト期間が数日間という一時的なものであり、開発中のゲームスケジュールなどへの影響は軽微でありつつも、海外拠点への波及や、より長期化する場合はプロジェクト遅延なども考慮しておかないといけない。一方のイタリアでは、複数の従業員が同社を去る意向を示しているといい、移籍の検討も行われている情報も浮上している。
編集部 IT/デジタル担当