孤立化する高齢者への対策は?東京都知事選の争点を考える
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東京都知事選の重要テーマを取り上げます。第二弾は、置き去りとの声もある「孤立する高齢者への対策」です。 現職 小池百合子氏 「子どもや子育てを守る、その世帯を守っていきます」 前参院議員 蓮舫氏 「若者の手取りを徹底して増やす」 今回、都知事選の議論の中心は少子化対策。一方、高齢者の問題については、ほとんど議論されていません。 都内に住む女性(93) 「年寄りのことよりも子どものことの方が先になってるもんね」 倉品美奈子さん(69)。東京・葛飾区で高齢者の見守りなどを行う民生委員です。 この日、1人で暮らす83歳の女性の様子を確認しにきました。この女性は去年、自宅の階段から足を踏み外し、背骨を骨折しました。 女性(83) 「やっとの思いでね、電話かけて、倉品さんに来てもらって、救急車呼んでもらってね」 今、倉品さんのような高齢者を見守る担い手が不足しているのです。実際、都では1万人の民生委員が必要とされる中、1000人ほど足りていません。 民生委員 倉品美奈子さん 「夜中でも昼間でも日曜日でも『もうすぐに来て、困ってる』って、飛んでいかなければならない。どうしても負担が大きくなる」 2030年、都の高齢者はおよそ334万人まで増加する見通しで、そのうち3分の1が一人暮らしになるとみられています。高齢者を社会で孤立させない対策は、待ったなしの状態です。そんな中、ある取り組みが注目されています。 孤立する高齢者をどう見守っていくのか。 一人暮らしの女性(90) 「(Q.うえの電球ですか)そうです」 1人で暮らす90歳の女性宅に設置された電球。普通の電球ではありません。24時間点灯、または消灯していた場合、事前に登録していた家族や知人にメールが届くよう設定された電球です。 一人暮らしの女性(90) 「息子が2人いますけれど、離れて暮らしてるので、1週間ぐらい連絡取り合わないことも結構ある。1人で年寄りで心細いと訴えていた」 実は、このサービスの一端を担っているのがヤマト運輸です。メールが届いた家族らが直接、安否を確認しに行けないときに、代わりにヤマト運輸のスタッフが訪問するのです。 東京・稲城市では75歳以上で一人暮らしの高齢者を対象に、このサービスの利用料金を全額補助しています。 稲城市高齢福祉課 加藤健 課長 「(民間の)サービスを活用することによって、くまなく必要な方に必要な見守り支援が行き渡る。全都的に広がるといいなというふうに思います」 高齢者の見守り対策について、都知事選の候補者は。 小池百合子氏は「健康上のリスクの発見、社会参加による生きがい増進、介護人材の確保に向け、東京都版の処遇職員昇給制度を構築するなど、取組を強化します」と述べています。 一方の蓮舫氏は「民生委員や老人クラブ、民間事業者等との連携した見守りネットワークの推進をはじめ、多様な居場所づくりも積極的に進めます」としています。 広島県安芸高田市の前市長・石丸伸二氏は「地域包括支援センターを通したフレイル予防や見守り体制の強化、企業による再雇用の支援によって、高齢者を社会に包摂する」と回答。 元航空幕僚長の田母神俊雄氏は、期限までに回答がありませんでした。 このほか、都知事選には52人が届け出ていて、立候補者は過去最多の56人となっています。 都知事選は来月7日に投開票です。 東京都知事選挙 立候補者(届け出順) 野間口翔氏、沢繁実氏、大和行男氏、木宮光喜氏、小池百合子氏 内海聡氏、石丸伸二氏、小野寺紘毅氏、新藤伸夫氏、竹本秀之氏 桜井誠氏、ドクター・中松氏、安野貴博氏、清水国明氏、AIメイヤー氏 桑原真理子氏、後藤輝樹氏、河合悠祐氏、福本繁幸氏、黒川敦彦氏 桑島康文氏、田母神俊雄氏、蓮舫氏、内藤久遠氏、内野愛里氏 石丸幸人氏、尾関亜弓氏、小松賢氏、加賀田卓志氏、福永活也氏 犬伏宏明氏、武内隆氏、遠藤信一氏、上楽宗之氏、二宮大造氏 中江友哉氏、舟橋夢人氏、山田信一氏、加藤英明氏、草尾敦氏 津村大作氏、久保田学氏、前田太一氏、南俊輔氏、福原志瑠美氏 木村嘉孝氏、三輪陽一氏、松尾芳治氏、穂刈仁氏、小林弘氏 加藤健一郎氏、ひまそらあかね氏、向後真徳氏、牛窪信雄氏、古田真氏 相川絹二郎氏
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