アベノミクス、安保法案、対北朝鮮 ── 安倍政権5年のあゆみを振り返る
2015年 第3次安倍内閣~第3次安倍第1次改造内閣発足
4月、日本の首相として初めて、米国連邦上下両院合同会議で演説し、集団的自衛権行使容認を含む安保法案を夏までに成立すると表明。8月には、九州電力・川内原発1号機が、東京電力・福島原発1号機の事故後設けられた新基準の審査を経て初の再稼動となりました。 安保法案の成立をめぐっては、日本の安全保障政策の転換として波紋が広がり、国会前でデモや座り込みの抗議集会が行われ、野党が中谷防衛相の問責決議案を参院に提出するなど与野党せめぎ合いが続きましたが、9月19日未明の参院本会議で成立しました。 10月には「一億総活躍」を掲げ、「少子高齢化の構造に立ち向かう」とした改造内閣が発足。12月、日韓外務大臣が会談し、両国の懸案となっている慰安婦問題について韓国政府が設置する財団に日本政府が約10億円を一括で拠出することで合意、「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した」と表明しました。
2016年 第3次安倍第1次改造内閣~第3次安倍第2次改造内閣発足
1月、TPP交渉を担当してきた甘利経済再生相が金銭授受問題で辞任。4月熊本地震が発生しました。 5月には議長国としてG7主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を開催。地球温暖化に関するパリ協定の2016年中発効に努力することや、東シナ海・南シナ海の紛争解決を求めること、北朝鮮の核ミサイル開発への非難などを盛り込んだ首脳宣言を採択しました。サミット出席で訪れていたオバマ大統領が米国の現職大統領として初めて広島市の平和記念公園を訪れ、スピーチし、被爆者と面会しました。 6月、世界経済先行き不透明を理由に、17年4月に先送りしていた消費増税を19年10月さらに延期することを表明。7月公職選挙法改正による定数10増10減で第24回参院選が実施され、18歳選挙権が導入されました。自公連立政権は改選前より、両党合わせて11議席上積みとなりました。 12月は、プーチン大統領を大統領としては11年ぶりの訪日となる日ロ首脳会談を、首相の地元山口県長門市で行いました。また安倍首相は、現職首相としては初めて慰霊のために真珠湾のアリゾナ記念館をオバマ大統領と訪れました。