ミネアポリス連銀総裁、物価抑制に向け政策金利が十分に高いか疑問
(ブルームバーグ): 米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、最近のインフレデータは物価上昇率を当局の2%目標に完全に回帰させる上で金融政策が十分抑制的かどうか疑問を提起するとの考えを示した。
カシュカリ氏は同連銀のウェブサイトに7日掲載された論文で、景気を抑制も刺激もしない中立金利が短期的に切り上がっている可能性を示唆し得る指標として、根強い住宅インフレに言及。これはインフレ抑制に向け、米金融当局にさらにやるべき仕事があることを意味すると記した。
「もちろん、労働市場の底堅さが裏付けられているのは極めて喜ばしいことだが、インフレは直近の四半期に横ばいで推移しており、政策がどれほど実際に抑制的か疑問を提起する」と記述。
「金融政策が景気に影響を及ぼす上で住宅が主要な経路であることを踏まえると、その底堅さは政策当局者と市場が『ニュートラル(中立)』について少なくとも短期的に認識を誤っているのではないかと疑問を投げかける」と続けた。
カシュカリ氏は自身の長期的な中立金利見通しを従来の2%から2.5%に引き上げたと明らかにした。
米金融当局は中立金利の短期的な水準に基づいて政策を設定しなければならないと、同氏は強調。「中立金利の水準が不透明であることが、政策当局者に課題をもたらしている」と記した。カシュカリ氏は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で議決権を有していない。
原題:Fed’s Kashkari Questions If Rates Are High Enough to Tame Prices(抜粋)
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Catarina Saraiva