二階派元会計責任者、虚偽記載認める 裏金事件公判で安倍派に続き
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、志帥会(二階派)の政治資金収支報告書にパーティー券収入のノルマ超過分を記載しなかったとして、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた元会計責任者、永井等被告(70)は19日、東京地裁で開かれた初公判で起訴内容を認めた。 【図解】自民裏金、党紀委が塩谷・世耕両氏に離党勧告 39人の処分決定 一連の事件では計10人が立件された。正式裁判が開かれるのは、清和政策研究会(安倍派)会計責任者の松本淳一郎被告(76)に続いて2人目。 起訴状によると、永井被告は2018~22年分の二階派の収支報告書に収入を計約2億6500万円、支出を計約1億1600万円それぞれ少なく記載したとされる。 永井被告は1997年7月に二階派の会計責任者に就任し、23年秋に事実上退任した。 二階派では、派閥の収支報告書に議員が集めたノルマ超過分の売り上げの一部を収入として記載していなかったとされる。議員側が派閥にノルマ超過分を報告せず、事務所でプールしていたケースもあったという。 ノルマ超過分については議員側にキックバック(還流)していたが、安倍派と異なり、派閥の収支報告書に議員側への支出は記載されていたとされる。 派閥会長だった二階俊博元党幹事長については、東京地検特捜部は立件を見送った。一方で、二階氏の政治団体では、18年からの5年間で約3500万円が不記載になっていたとして、二階氏の当時の秘書が略式起訴された。 二階派では、20~22年に派閥からの寄付を収支報告書に記載していなかったとして、二階氏や武田良太元総務相ら計7人の所属議員や元議員が、政治団体の収支報告書を訂正している。【井口慎太郎】