FR最後のサニークーペ。サニーとカローラ。昭和大衆車の王座をかけて争った2台のライバル
旧車は「ナマモノ」だ。欲しいクルマに出合ったとき即断しなければ、次のチャンスがいつ来るか分からない。特に生産台数の少なかったクルマはまさにそれで、「見つけたとき」が「買いどき」なのだ。FR最後のサニークーペも、そんな1台。いま買い逃したら、もうチャンスはないかも!? 【画像22枚】昭和大衆車の王座をかけて争ったライバルの第2ラウンドは、真っ向勝負となった。サニークーペのボディ側面を彩る大型のリアクオーターウインドーが、個性を一層引き立てる。標準で装着されるタイヤは165/70HR13。ホイールは純正スチール 【1978年 ダットサン サニークーペ1400 SGX-E】 サニーとカローラ。昭和大衆車の王座をかけて争ったライバルは、デビューの時期こそサニーが1966年4月、カローラが同年11月と時間差があった。ところが、第2ラウンド、すなわち2ドアスポーティーモデルの発売時期は、68年3月と真っ向からぶつかる形となった。 サニーはB10にクーペ(KB10)を投入。一方のカローラは名称をカローラスプリンター(KE15)と一新して、新しさを前面に押し出し、セダンから続くライバル関係は、クーペにおいても火花を散らすこととなった。 ちなみにこの68年というのは、日本車の世界において2ドアモデルが大きく花開いた年でもある。2Lクラス初のハードトップであるMS51クラウンハードトップや510ブルーバードのクーペも同年にデビューしているのだ。昭和も40年代に入り、いわゆる高度経済成長期の好景気を背景に、新たなる市場の開拓が求められていたということであろう。 1978年式 ダットサンサニークーペ1400SGX-E(KHB310) ●全長3995mm ●全幅1595mm ●全高1340mm ●ホイールベース2340mm ●トレッド前/後1330/1300mm ●最低地上高165mm ●室内長1645mm ●室内幅1345mm ●室内高1095mm ●車両重量875kg ●乗車定員5名 ●登坂能力tanθ0.48 ●最小回転半径4.5m ●エンジン型式A14E型 ●エンジン種類水冷直列4気筒OHV ●総排気量1397cc ●ボア×ストローク76.0×77.0mm ●圧縮比9.0:1 ●最高出力92ps/6400rpm ●最大トルク11.7㎏-m/3600rpm ●変速比1速3.513/2速2.170/3速1.378/4速1.000/5速0.846/後退3.464 ●最終減速比3.889 ●燃料タンク容量50L ●ステアリング型式リサーキュレーティングボール(ギヤ比16.4) ●サスペンション前/後ストラット・コイル/4リンクコイル車軸式 ●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング ●タイヤ前後とも165/70HR13 ●発売当時価格113.4万円 初出:ノスタルジックヒーロー2019年6月号 Vol.193 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部