両リーグ共に1位と2位が「12勝12敗1分け」で大激戦必至!! プロ野球セ・パCS展望2024 下克上はあるのか!?
■柔軟な阿部巨人と阪神はどう戦う? お股ニキ氏が「力の差は小さい」と語ったとおり、チーム防御率やチーム打率がほぼ互角だった巨人と阪神。9月最後の直接対決2連戦は1勝1敗、かつ、2試合共に1-0という拮抗ぶりだった。 とはいえ、最終的にペナントレースの軍配は巨人に上がったことについて、お股ニキ氏は3つの点を指摘する。ひとつ目は「守備力」だ。 「今季は超投高打低で三振と四球が減り、前に飛んだ球をどれだけ処理できるかが違いを生みました。その点で巨人の守備はソフトバンクと共に球界随一。一方の阪神は失策数が多かっただけでなく、要所でのミスも目立ちました」 ふたつ目は「監督の柔軟性」。巨人の阿部慎之助監督の臨機応変な采配にうならされる場面が多かったという。 「岡本和真を一塁、三塁、レフトで使い分けることで、大城卓三や坂本勇人との併用が可能に。また、試合中は1球ごとに外野の守備位置を細かく指示し、しかもそれが的確でした。そこは捕手出身監督ならではといえます」 一方、昨季はまさに采配力を絶賛された阪神の岡田彰布監督だったが、今季はうまくいかない場面が多かった。 「シーズン中に主力選手を2軍に落として調整させ、彼らが終盤に力を発揮した点はさすがといえます。ただ、打順やスタメンは基本的に固定でしたし、ブルペンも70試合投げた桐敷拓馬を筆頭にやや無理をさせました。『型』はありましたが、柔軟性が阿部巨人との差となりました」 3つ目の差は「外国人」。巨人も阪神も外国人投手はしっかり活躍したものの、野手で明暗が分かれた。 「阪神はシェルドン・ノイジーとヨハン・ミエセスを6月までに見限り、7月以降は日本人が並ぶ打線でした。一方、前半戦で苦しんだ巨人打線を救ったのは間違いなくエリエ・ヘルナンデスです。そして、彼が負傷離脱すると代わってココ・モンテスを獲得。 投手陣でも新加入のカイル・ケラー、2年目のフォスター・グリフィンやアルベルト・バルドナードがチームを支えたように、どのようなタイプが日本で活躍できるのか、球団はもうわかったのだと思います。外国人野手の獲得が難しい中、フロントの柔軟性でも巨人が一枚上手でしたね」 では、阪神はどうすれば下克上できるのか? お股ニキ氏は後半戦で復活し、防御率1点台の投球を続けた髙橋遥人の起用法を挙げる。 「阪神は昨季ストロングポイントだった投手力が若干落ち、今や一番安定しているのが髙橋です。ただ、故障明けのため、ファーストステージで投げるなら、ファイナルステージでの登板を期待するのは酷かも。ならば、あえてファーストステージでは温存し、ファイナルステージにぶつけたほうがいいかもしれない。 あとは、軸となる才木浩人とジェレミー・ビーズリーをファーストステージも含めてどの試合で投げさせるかも勝負の行方を左右しそうです」 迎え撃つ巨人は、菅野智之と戸郷翔征の二枚看板がいい状態を維持し続けている。 「日本シリーズも含め、短期決戦では初戦で相手のデータを取ることも重要ですが、球種が豊富で制球力のある菅野はまさにうってつけの存在。仮に負けても戸郷がいるから連敗はしにくく、3戦目以降に投げる井上温大やグリフィンもいい。 中継ぎ陣も7月以降は12球団ナンバーワンの成績でした。それだけに、両球団の戦いは、どれだけ失点を防ぐかが鍵になりそうです」