「顧客を見捨てない」 ルノーはなぜルーテシアにこだわるのか EV化せず新型へ
エンジン搭載で2020年代後半に発売へ
フランスの自動車メーカーであるルノーは、小型ハッチバックのクリオ(日本名:ルーテシア)のフルモデルチェンジに向けた準備を進めている。 【写真】新鮮な「顔」で再登場! フランス流ハッチバック【ルノー・クリオ(日本名:ルーマニア)を写真でじっくり見る】 (20枚) クリオは欧州Bセグメントの主力モデルであり、2023年に現行世代(第5世代)の一部改良が行われ、内外装、グレード展開、車載システムが刷新された。今後2年でさらに改良を重ねると予想されている。 第6世代となる次期型は、新しいデザインと高度な車載システムを導入して2020年代後半に発売するという計画が具体化しつつある。手頃な価格帯を目指し、内燃エンジンを引き続き採用するという。 ルノーの製品パフォーマンス責任者であるブルーノ・ヴァネル氏は本誌の取材で、小型エントリーモデルのラインナップを一新する計画を明らかにした。ルノーは最近、メガーヌ、シーニック、オーストラル、ラファール、エスパスといった中型Cセグメント車を再構築したばかりだ。 Cセグメント車は欧州で特に人気があり、利益率も高いため重宝されているが、小型のBセグメントも「忘れるわけではない」と言う。
顧客は見捨てず、手頃な価格を守る
34年の歴史を持つクリオは、今後発表される電動クロスオーバーの「4」と電動ハッチバックの「5」によって将来性が危ぶまれていたが、ヴァネル氏はそのどちらもクリオの後継車にはならないと示唆した。 「クリオはそれ自体が1つのブランドです。英国では、クリオはルノーと同じか、それ以上に知られているでしょう」 クリオの名称は1990年発売の初代モデルから変わらず、EV主流の時代になっても引き継がれていくだろう。ルノーはネーミングの重要性を認識しており、電動化に伴いメガーヌ、シーニック、トゥインゴの名称を維持している。 2026年には小型EVのトゥインゴが発売予定で、現行クリオと同じ価格帯を目指している。 しかしヴァネル氏は、顧客に選択肢を提供し、より高価なEVを導入する際に顧客層の大部分を見捨てることがないよう、エンジン搭載の小型ハッチバックを維持することが重要だと述べた。 「100%EVに直接移行するわけではありません。ハイブリッド車に移行することで、手頃な価格のブランドを守り続けることができるのです」