三県境、海底トンネル、最短鉄道! 都心から2時間以内で行ける「珍スポット」3選
今年も間もなく、ゴールデンウィークが到来する。記録的な円安で海外旅行を避ける人が多いと思われ、国内の人気観光地は、かなり混雑しそうだ。どこかに面白そうな穴場はないかと、旅行先を探している読者も多いだろう。 そこで、今回は都心から2時間以内で行ける、訪問満足度が高めな「珍スポット」3選を紹介する。普段、お目にかかれないような珍スポットを中心に、周辺の見どころも、あわせて紹介しよう。 【画像】海底トンネルの換気所の建物1階に「海底トンネル歩道入口」が ※道路の混雑状況によっては2時間で到着できない場合があります。
◆3つの県を3歩で回れる場所がある?
最初に訪れたのは、埼玉県の加須(かぞ)市。と言われても、すぐに場所が思い浮かぶ人は少ないだろう。加須市は埼玉県北東部の端っこにある、かなり面積の広い市である。 この加須市の北端を通過する県道9号線を車で走っていると面白い現象が起こる。カーナビの音声が、短時間の間に「栃木県に入りました」「群馬県に入りました」「埼玉県に入りました」「群馬県に入りました」「栃木県に入りました」と、故障したのかと思うくらい頻繁に、別の県に入ったことを告げるのだ。 そう、この辺りは埼玉、栃木、群馬の3県の県境が、かなり複雑に入り組んでいるのである。 ちなみに、この県道は茨城県古河市まで続いており、日本で唯一、4県(埼玉、栃木、群馬、茨城)を経由する県道だという(いずれの県でも、県道の整理番号を「9号」としている)。 これだけでもネタとしては面白いが、今回の旅の目的地は別にある。SNSでだいぶ有名になってしまい、やや今さら感はあるが、埼玉、栃木、群馬の3つの県が境を接する「三県境」というポイントがあるのだ(さすがに茨城も含む四県境はない)。 「三県境」を目指すには、「道の駅かぞわたらせ」に駐車すると便利だ。ここは2019年まで「道の駅きたかわべ」という名称だったので、カーナビのデータが古いと検索でヒットしないかもしれない。埼玉県でありながら利根川の北岸に位置するこの辺り一帯は、北川辺町という独立した小さな町だったが、2010年に平成の大合併で加須市に編入。 その後も、「きたかわべ」という名称がしばらく残っていたのだ。 さて、お目当ての「三県境」は、道の駅から階段を下りて450メートルほどの、田んぼの真ん中にある。 小さな用水路の合流地点に「三県境界」と刻まれた小さな標柱が立っており、標柱の周囲をぐるりと一周すれば、3つの県を巡ったことになる。3県巡りが済んだ後は、付近のスタンプ台で訪問記念のスタンプを押すのを忘れずに。 ちなみに、スタンプの台紙に「全国に三県境は40か所以上ありますが、歩いて3歩で回れる三県境はここだけです」と書いてある。なぜだろうか。筆者も全ての三県境を訪れたことがあるわけではないので断言はできないが、その多くが山奥にあるからだと思われる。 例えば、東京都、埼玉県、山梨県の三県境は、雲取山という標高2000メートルを超える高山の山頂付近にあり、気軽に訪れることができないのだ。 なお、三県境から土手(土手上を県道が走っている)を挟んで北側に広がる渡良瀬遊水池(遊水池=平地にあるダム)は、上空から見るとハート型をしている。これにちなんで、先ほどの「道の駅かぞわたらせ」屋上の展望台にはハート型のモニュメントが設置され、恋人の聖地になっている。 また、1階の「三県境ショップさいぐんと」では、渡良瀬遊水池のダムカードがもらえるので、ダムカードを集めている人は、忘れずにゲットしよう。 ※鉄道利用の場合、東武日光線の柳生駅から三県境まで徒歩8分。