「私が北海道の子供なら怒ります」日本陸連・有森裕子副会長が登録料735 万未納の北海道陸協に喝!
南部記念陸上中止か
有森副会長にとって、北海道は無名のランナーから五輪代表へステップアップできた出発点である。 リクルート入社1年目の士別市の合宿で原野を切り開いた真っ直ぐなロードを走り、小出義雄監督(当時)にトラック種目からマラソンへの転向を申し出て、’90年の大阪国際女子で初マラソン日本女子最高の2時間32分51秒(当時)をマーク。2年後のバルセロナ五輪で銀メダルを獲得する。 その後、かかとを痛め手術を受けるなどレースから遠ざかっていたが、’95年8月の北海道マラソンに出場。3年ぶりの42・195 キロを2時間29分17 秒で走り切り優勝、奇跡の復活を果たして’96 年アトランタ五輪で3位に入った。日本の女子陸上唯一の五輪2大会連続メダリストは「第二の故郷に近い」と思い入れがある北の大地の現状に胸を痛めている。 地元の北海道新聞(11月1日付)は「道陸協 預貯金1500万円水増し 運営費確保めど立たず」との見出しで、一人の職員が会計操作や実際の預貯金額と異なる決算の記載をしていたと報じた。 道陸協が’88年から36回主催してきた歴史のある南部記念陸上の来年の開催を危ぶむ声が広がっている。札幌市出身の’32年ロサンゼルス五輪三段跳び金メダリスト、南部忠平の名前を冠に戴く大会だけに、最悪の事態は何が何でも回避しなければならない。 「陸連副会長とすれば、中止にしたくありません。でも『中止』ということがどんなことになるかを道陸協の人たちは考えてほしい。そんなことになったらすべてに波及しますよ。あなた方が『最も大切にしてきた大会をドブに捨てるんですか』というぐらいのことです。 選手、審判員そして支えてきた周囲の人々は怒りを露わにしてほしい。もし、私の故郷(岡山)の山陽女子ロードレースが中止になったら、『なんで?!』ってなりますよ。元アスリートの一人としていえば、トップ選手は命をかけ、中高生たちは将来を夢見て頑張っています。みんな必死なんです」