斎藤工「神木隆之介さんの人間性にスケールの大きさを」「海に眠るダイヤモンド」インタビュー
TBS系では、10月期の日曜劇場枠で神木隆之介が主演を務める「海に眠るダイヤモンド」を放送する。本作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語だ。戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいく、時代を超えたヒューマンラブエンターテインメントである。 主人公・鉄平の良き理解者でもある兄・進平を演じるのは斎藤工。妻が亡くなったことを認められず、帰りを待ち続けている炭鉱夫という役どころに挑む斎藤に、本作への意気込みや見どころを聞いた。
――オファーを受けた際の気持ちをお聞かせください。 「脚本・野木亜紀子さん、塚原あゆ子監督、新井順子プロデューサーがかじを取る船に、座長・神木さんらと共に乗せていただけることになり、ぜいたくな気持ちでいっぱいでした。いち視聴者として、このチームとキャストが作り出す化学反応を見てみたいと思いましたし、それを現場で僕自身で体験できることがうれしかったです」 ――実際にチームに参加してみていかがですか? 「本読みの段階で、共演者の皆さんの役柄の捉え方や、ご自身のキャラクターとの融合に圧倒されました。進平は炭鉱夫役なのでロケでの撮影も多いのですが、背景の写し方にまで一切妥協がなくて。入念なロケハンを行っていることと、極力フィクションを省いて端島を再現するんだという強い思いを現場に立つたびに感じます」
――進平の役柄について教えてください。 「進平は戦争を体験した人間で、ある意味十字架を背負っている人間。でもそれは時代的に進平に限ったことではありません。炭まみれになりながらお芝居をする中で、『自分たちで一から島を作っていくぞ!』という沸き立つ熱量を感じ、そういった戦争直後の日本のエネルギーが日本の発展の基盤になったのではないかなと。そして、お芝居では鉄平と父・一平(國村隼)との距離感も大切にしています。3人には少し激情型な一面があって、國村さんとも『一瞬で感情に火が付くのは、荒木家ならではなのでは』と話していて。あまり決め込み過ぎず、お二人のお芝居を反射させながら家族の関係性を作るように心掛けています」 ――主演・神木さんの現場での印象は? 「神木さんは、主役たる振る舞いをされながらもすごく柔和な方で、スタッフさんとコミュニケーションを取っている様子を見ていると、部署という垣根を自ら跨いでつなげてくれる方だなと感じます。俳優部のキャプテンとしてだけではなく、作品全体を先導してくれている人間性にスケールの大きさを感じますね」