大都会の横浜に滝が? 箱根駅伝の戸塚中継所至近な住宅街にある秘境公園でアドベンチャー気分に浸る
正月の風物詩の代表的イベントといえば箱根駅伝ですが、箱根路を走る学生ランナーのルートである国道1号線は東京・大手町をスタートして横浜駅を通過後からは国道1号線をひた走ります。その国道1号線・横浜南部の戸塚・汲沢といえば往路2区~3区/復路8区~9区の戸塚中継所でお馴染みかと思います。その戸塚中継所にほど近い住宅街に、伝説が残る滝つぼ公園があります。 【写真】秘境感漂う「まさかりが淵市民の森」のロケーションを見る(全10枚)
木こりが誤ってまさかりを落としたことで始まる伝説
横浜南部の代表的な街の戸塚区は国道1号線が区内中央を南北に走っています。早朝から渋滞が多く発生する幹線路でもあるのですが、その代表的ポイントが戸塚警察署~原宿間で、箱根駅伝の戸塚中継所でご存知の方も多いかと思われます。その戸塚中継所の西側の汲沢地区の住宅街にある公園をご紹介します。まさかりが淵公園と言います。 横浜市には市内に47ヵ所の市民の森があります。横浜市独自の緑地を保存する制度で、緑を守り育てるとともに市民の憩いの場として利用できるようにしている公園です。まさかりが淵公園もその一つで、戸塚区汲沢の方々をはじめ近隣住民に快適な公園ライフを提供しています。まさかりが淵公園の最大の魅力は滝つぼです。滝といっても高さ2mあるかないかの小さな滝です。ために淵と名付けられていますが、命名のまさかりに由縁が残されています。 言い伝えられている伝説は、200年も前のある日、彦八という若い木こりが誤って鉞(まさかり)を滝つぼに落としてしまいました。滝つぼを覗くと美しい娘が機を織っており、「あなたの鉞が滝の魔物を退治してくれた」としてお礼にと三日間ご馳走になった。帰るときに「私はこの滝の主、私のことを他人に言わないで。言うとあなたの命がなくなります」と……。彦八が家に戻ると三年前に死んだと思っていた家族に問い詰められ、娘の話をしてしまい、そのまま死んでしまったと言うものです。
自然を生かした森公園によりそう滝公園へハイキング
公園に沿うように流れる宇田川に滝つぼはあります。自然を生かしている公園は高低差があり、アドベンチャー気分を味わえる自然林はコナラやクヌギを中心に、豊かな木陰の園路が設えられています。園内広場は3カ所あります。滝を落ちる水流の音が爽やかで、盛夏でも涼やかなひと時を体感できます。また、夏休みになると近隣の子供たちが水遊びを楽しんでいることでも知られています。 同公園は市民の森愛護会の方々がスズメバチ対策や、ゴミ拾い、巡回パトロールから花の管理など尽力され、開園40年を超えるに及んでいます。かつては岩盤を流れる天然の滝だったそうですが、昭和59年(1984年)の市民の森公園開園に合わせて護岸が整備され、現在に至るそうです。周囲は住宅街で、果樹園と牧舎もあるのどかな公園はプチハイクに最適です。最寄駅のJR湘南新宿ライン/東海道線/横須賀線戸塚駅からバスか、横浜市営地下鉄踊場駅からとなります。
ソトラバ編集部