映画「天上の花」脚本を同意なく書き換え 共同脚本家に5万5000円賠償命令 「著作者人格権」の侵害認定 大阪地裁
映画の脚本を同意なく書き換えられ、著作者の名誉などを守る「著作者人格権」を傷つけられたとして、脚本家が、指導を受けた共同脚本家の荒井晴彦さんに賠償を求めた裁判で、大阪地裁は「著作者人格権」の侵害を認め、荒井さんに5万5000円の賠償を命じました。 原告の脚本家は、デビュー作となった映画『天上の花』(2022年公開)の脚本を執筆する過程で、「共同脚本家」の荒井晴彦さんに同意なく大幅に書き換えられ、「著作者人格権」を侵害された上、最終の脚本は女性軽視と認識されてもやむを得ない内容となり、脚本家としての名誉を傷つけられたと訴えていました。 著作者人格権は、作家や脚本家など著作者の意に反して著作物の内容を改変されない権利である「同一性保持権」などで構成されます。 一方、荒井さんは、打ち合わせの際に加筆修正への同意があったとして、請求の棄却を求めていました。 30日の判決で大阪地裁は「被告が脚本を変更するにあたり原告の同意を得ていないことは明らかで、原告の意に反する改変に当たり、同一性保持権を侵害する」と認定。 一方で、「映画の上映によって原告の名誉が害された事実は認めがたい」として、荒井さんに5万5000円の賠償を命じました。 裁判をめぐっては、原告は映画の制作会社と配給会社にも賠償などを求めていましたが、すでに和解が成立しています。
ABCテレビ