日本や欧州の「ユニクロ」好調、ファストリが24年8月期の営業利益予想を4750億円に上方修正
インバウンドの恩恵も受けた。全体の売上高に占める免税売上げ比率は2倍に上昇し、7~8%へと構成比も高まっている。「世界中でユニクロの知名度が高まっていることで、国内ユニクロ事業の業績拡大にもつながっている」と岡﨑CFO。第3四半期のEC売上高は345億円(同12.1%)。
国内ユニクロの営業収益は9カ月累計で1278億円(同28.3%増)、第3四半期3カ月累計で505億円(同56.9%増)と大幅増益となった。「在庫処分のための値引き販売が減少したことで値引き率が改善。粗利益率は54.5%と4.1ポイント改善した。販売管理費比率は33.3%で2.1ポイント改善。増収になったことで、人件費率、賃借料比率、広告宣伝費率が低下。賃上げも行ったが、人件費は「在庫水準の適正化や、店舗作業のデジタル化、効率化により、一人当たりの売上高も上昇し、生産性が改善した」という。
ジーユー事業も9カ月決算で売上収益2464億円(同8.1%増)、営業利益294億円(同14.2%増)となった。「グローバルのマストレンドを取り入れた商品の販売が好調で、海外展開に向けてチャンスの芽が見えた。一方で、販売を押し上げるチャンスがあった商品の数量を十分に準備できず、売上げを伸ばしきれなかった課題がある」と岡﨑CFO。「今後は、完成度の高いマストレンド商品の開発をグローバルで強化し、これらの商品の在庫を戦略的に準備し、シーズンの立ち上がりから売り込むことで売上げの最大化を目指す」。EC売上高も伸び、売上高構成比は約12%となった。