打倒・那須川天心を胸に女子ボクシングフライ級のメダル候補、並木月海が東京五輪予選代表出場権を獲得
幼稚園の頃からクラスで整列すると一番前が定位置。そんなチビッ子がボクシングをするために自衛隊へ進み、1年が経過する頃、五輪を意識しはじめた。 「五輪が近づいたとき自分はどうなりたいのか、と考えたんです。もっとボクシングに向き合わなきゃと思ったんです。背が低くても、そのことで逆に持ち味となっているパンチ力、スピード、フットワークをもっとうまく使って努力しようと考えた。海外でもいい結果になってきた」 短所を長所へ。自分と向き合い殻を破った。 日本ボクシング連盟の内田会長が「東京五輪でメダルを狙える一人」と断言する小さな逸材が、たった1枚しかない激戦のフライ級での東京五輪挑戦切符を奪いとった。日本に開催国枠が2つ保証されているが、アジア・オセアニア予選でメダルを獲得して自力で出場枠を獲得するのが目標である。日本の女子ボクシングの五輪出場は東京五輪が初となる。 天心を抜くのは東京五輪でメダルを取ったときになるのかな? 最後にそう聞くと並木は謙虚にこう答えた。 「そうですね。できるかどうかわからないですが、ボクシングで一番上を目指す。(天心とは)レベルが違うようになっているが、ボクシングで自分は上がっていきたい。東京五輪での金メダルはもう夢ではなく目標です」 好きなアイドルや芸能人は「そんなのうとくて」と興味はない。どんどん普通の女の子からは離れているが、趣味は21歳の女性らしくお菓子作り。ちなみに得意なのは「ガトーショコラ」だそうだ。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)