自転車でスマホ「ながら運転」厳罰化、「酒気帯び」の罰則新設…改正道交法施行
自転車を運転しながらスマートフォンを使う「ながら運転」の罰則を強化し、自転車での酒気帯び運転に罰則を新設する改正道路交通法が1日、施行された。背景には、危険運転による事故が後を絶たないことがあり、警察はルールを周知し、取り締まりを強化する。 【グラフ】ながらスマホ事故、6割が「20代以下」
ながら運転は、自転車で走行中にスマホを手に持って通話したり、画面を注視したりする行為。これまで都道府県の公安委員会規則で禁止され、5万円以下の罰金だったが、「6か月以下の懲役または10万円以下の罰金」へと強化される。事故などを起こせば「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される。
警察庁によると、自転車のながら運転による死亡・重傷事故は増加傾向で、今年1~6月は全国で18件と、昨年同期の2倍を超えた。
また、酒気帯び運転(呼気1リットルあたり0・15ミリ・グラム以上のアルコール)に罰則を新設。これまでは、正常な運転ができない恐れがある「酒酔い運転」だけが対象だったが、酒気帯びでも「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」となる。店などが自転車を運転すると知りながら客に酒を提供する行為も罰則対象となる。
課題はルールの周知だ。
施行前日の10月31日昼過ぎ、大阪市の京阪天満橋駅前の交差点では、複数の人がスマホを見ながら自転車で横断していた。同市内の30歳代の女性は「違法になると知らなかった。癖でつい見てしまった」と話した。
警察幹部は「自転車だと軽く考えず、ルールを守ってほしい」としている。