【陸上】ジャンパー橋岡優輝が目指し続けた“スプリンター” パリ五輪で狙うは「一番いい色」
陸上男子走り幅跳びでパリオリンピック(五輪)代表の橋岡優輝(25=富士通)が、日本勢初の快挙へ突き進む。 6日、羽田空港で欧州への出国前に取材対応。2大会連続の五輪へ「メダル獲得を絶対に成し遂げたい。一番いい色はみんな知っていると思う。それを狙う」と、独特の言い回しで金メダル獲得を誓った。 「スプリンターになれ!」。パリへの歩みは、この言葉とともにあった。6位入賞の東京五輪からさらに飛躍するべく、22年11月に渡米。男子100メートルのサニブラウン・ハキームら、世界トップレベルの短距離選手が集うタンブルウィードTCに拠点を移した。 そのチームでは唯一の走り幅跳び選手でありながら、世界屈指のスプリンターたちと徹底的に走り込んだ。レイナ・レイダー・コーチからは「もっと走れ!」と常にハッパを掛けられてきた。 従来のリズム感のある助走は全力で駆け込むスタイルへ変わり、助走距離は渡米前から約8メートルも短縮。助走速度の向上を目指し、9秒台の選手たちの背中を必死に追いかけた。 拠点変更から1年半ほどが過ぎた今春。同コーチから「やっとスプリンターらしくなってきたな」と言われたことがあった。同時期の3月には渡米後最高の8メートル28をマーク。「『お前はスプリンターだ』とちゃんと言われたわけではない」と苦笑いするが、23年世界選手権銅メダル相当の記録を残した事実は揺るがない。 パリでは、11センチ差で表彰台を逃した東京五輪の雪辱を期す。 「周りが東京五輪と全く同じ状況なのであれば、その11センチは覆せると思う。それくらい自信はついている。五輪の借りは五輪でしか返せない。この機会を逃せば次は4年後。僕はそんなに待てない」 「一番いい色」へとつながるビッグジャンプへ。全速力の助走に、思いを込める。【藤塚大輔】