〈詳報〉H2Aロケット49号機打ち上げ成功 情報収集衛星「レーダー8号機」を軌道投入 残るは1機、成功率97.96%で有終へ
三菱重工業は26日午後2時24分20秒、H2Aロケット49号機を鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げた。政府の情報収集衛星「レーダー8号機」を予定軌道に投入し、2005年の7号機から43機連続で打ち上げに成功した。成功率は97.96%となった。 【写真】情報収集衛星を搭載し上昇するH2Aロケット49号機=26日午後2時24分、南種子町の種子島宇宙センター
レーダー8号機は、電波を使って夜間や悪天候でも地表を観測できる事実上の偵察衛星。政府は03年から情報収集衛星を運用しており、8号機は6号機の後継機となる。予算ベースで開発費は311億円、打ち上げ費用は118億円。政府は29年度までに可視光を使う「光学」も含めて10機体制とし、地球上の全地点を1日2回以上撮影できるようにする目標を掲げる。 南種子町の4見学場には計1135人が訪れ、打ち上げを見守った。同センターで会見を開いた納冨(のうどみ)中(みつる)内閣衛星情報センター所長は「安全保障環境は厳しさを増し、大きな自然災害も発生している。今後も宇宙からの情報収集能力を着実に拡大していくことが重要だ」と話した。 H2Aは本年度中に予定されている50号機で引退し、後は新型基幹ロケット「H3」に引き継ぐ。49号機の打ち上げは当初11日の予定だったが、気象条件が適さず2度延期された。同センターでは10月20日にH34号機の打ち上げが計画されているが、日程が遅れる可能性があるという。
南日本新聞 | 鹿児島