【緊急徹底調査】話題の「選挙直前の自民の交付金」はどう使われた?「もらったその日に候補本人に寄付」が75人、全額寄付も10人で選挙運動費に
「しんぶん赤旗」のスクープでも話題になった、選挙直前の自民党本部からの2000万円の「政党交付金」。自民党も、通常配っている交付金とは別のものだと認めています。 【写真】2000万円交付で話題の「選挙直前の自民党本部からのマネー」もらった議員を分析してみたら… では、もらった側の政治家たちはどのように使っているのか。前回、2021年の衆議院選挙の際の「政治資金収支報告書」と「選挙運動費用収支報告書」をもとに、国家議員の関係するすべての団体を分析。すると、交付金の多くが支部に入金された後、支部から議員本人に寄付された形で資金移動していて、選挙運動に使われていた詳しい様子が見えてきました。 交付金を受け取った当日に、候補本人が寄付を受けたケースは75人で、あわせて5億6000万円に上っていました。このうち加藤勝信氏や野田聖子氏、森山裕氏ら10人は、満額の1500万円(2021年はこの額だった)を寄付として受け取っています。 さらに受け取った日から投開票日までの間に寄付があったケースに広げると161人、総額は12億4700万円に上りました。自民党が多額の交付金によって選挙にテコ入れを図っていた様子が浮かび上がりました。 この中には、今回の選挙では非公認になって、交付金の振り込みに「びっくりした」と語った細田健一氏らも含まれています。2021年当時は、3回にわけて1500万円満額が、支部から細田氏本人に寄付されていました。詳しく聞いてみると……
分析に使ったデータベースは
「政治とカネ」の問題はなぜ尽きないのか。全ての議員の収支データで構造的な問題を解明してみなければと考えた研究者グループが、現職の国会議員全員の関係する政治団体の「政治資金収支報告書」を、完全データベース化しました。この「政治資金データベース」は、過去には単年分のみ、NHKや朝日新聞が報道に利用しています。 今回、新たに2020年から2022年までの3年分のデータベースがまとまりました。全議員のデータを分析したことで、定性的に言われてきたことが定量的に裏付けられました。 さらにスローニュースが日本大学の安野修右研究室や、調査報道グループ・フロントラインプレスとともに開発・提供を始めた「選挙運動費用データベース」を合わせて分析に利用しました。