【緊急徹底調査】話題の「選挙直前の自民の交付金」はどう使われた?「もらったその日に候補本人に寄付」が75人、全額寄付も10人で選挙運動費に
交付金を受け取った当日に、議員本人が寄付を受けたケースは75人で総額5億円余
前回、2021年の衆議院選挙の際に自民党は、小選挙区選出の衆議院議員や比例代表で復活当選した候補に対して、一律、1500万円の政党交付金を振り込んでいます。 振り込まれたのは、衆議院が解散した10月14日の翌日の15日でした。 そこで、政党交付金が支部に振り込まれた10月15日のカネの動きを「政治資金データベース」で調べてみると、支部から代表を務める候補本人に対して、15日当日に「寄付」の形で資金移動していたケースが75人で確認されました。寄付された資金の総額は、5億6384万円余りにのぼりました。 この75人のうち、受け取った1500万円を満額、候補本人に寄付していたのは10人でした。加藤勝信氏や野田聖子氏、森山裕氏などの自民党の幹部経験者も含まれています。
選挙の費用として使われていたのか、全額寄付の10人を見てみると……
この10人は寄付として受け取った金をどのように扱ったのか。 今度は「選挙運動費用データベース」で選挙運動費用の収支報告書を調べてみましょう。 すると、本人への寄付のあった10月15日に「支部から1500万円の寄付を受けた」と記載していたのは5人。15日とは日付が違うものの、同様に支部からの1500万円の寄付を記載したのが2人でした。 そして残る3人は、「自己資金」や「自民党」からの寄付として1500万円が入ったことを記載していました。確かにいったん本人に寄付されていると考えれば「自己資金」とも言えないこともないでしょうか。また、元をたどれば党本部からの交付金なので「自民党」でもおかしくないかもしれません。いずれにせよ、支部に入った交付金は、選挙に使われていたことがうかがえます。 スローニュースでは、交付金を受け取った当日に、満額を本人に寄付して選挙運動に使用したとみられる10人の一覧など、詳しいデータのほか、今回は非公認となった議員が前回選挙では交付金1500万円をどう扱っていたのかなども明らかにする記事を配信しています。
集計:「政治資金データベース」制作グループ/構成・文:熊田安伸