「野党を巻き込んだ政界再編も…」高市早苗氏に“大逆転”石破茂自民党新総裁の「危うい政権運営」
自民党総裁選が9月27日に開かれ、石破茂氏が自民党新総裁に決まった。 候補者9人乱立の大混戦は1回目の投票では決着がつかず、高市早苗氏との決選投票へ。石破氏が215票で、194票の高市氏を上回った。 【写真あり】進次郎&滝川クリステル 夜の散歩で愛犬オシッコ放置の一部始終 ここまでもつれた総裁選は異例だ。最初こそ小泉進次郎氏は若さを売りにリードしていたが、討論会を重ねるごとに急降下。代わって高市氏が猛追し、最終盤の調査では進次郎氏を上回り「石破vs高市」の構図が出来上がっていた。 ◆総選挙を考えると高市氏を敬遠 1回目の投票で高市氏は党員票109、議員票72を獲得。石破氏は党員票108、議員票46だった。 「まさかここまで高市氏の勢いがすごいとは……」 自民党関係者もそうこぼすほどで、このまま一気に史上初の女性首相に上り詰めるかと思われたが……。 「最後は自民党の“良識ある”議員が現実的な判断を下したということでしょうね。高市氏が新首相になった場合、次の選挙で苦戦することは目に見えていましたから」 高市氏は推薦人20人のうち“裏金議員”が13人。これは他の候補に比べて突出しており、裏金問題の再調査には明確に「NO」を突き付けていた。 「高市氏を支えていたのは、いわゆる裏金問題の“総本山”である旧安倍派。仮に高市氏が首相になったら野党から猛追及されることは明白だった。1回目投票は高市氏で、2回目の投票で石破氏に入れた議員も多くいたと思う」(全国紙政治担当記者) 今回の総裁選の裏テーマは「政界キングメーカー決定戦」でもあった。 菅義偉氏は進次郎氏を推し、麻生氏は自らの派閥出身である河野太郎氏を見限り、高市氏支持に回ったとされる。総裁選当日の産経新聞では、麻生氏が1回目の投票から 「高市に入れろ」 と指示したとも報じられた。 ◆裏金議員に待ち受ける“恐怖” 「菅氏は石破氏とも友好的な関係を築いているので、今回の結果は悪くない。おそらく進次郎氏は石破政権下で重要ポストに就くでしょう。対照的に麻生氏は“子分”の河野さんを見限って高市氏に走ったのはいただけない。求心力低下は避けられないでしょう」(永田町関係者) 勝てば官軍負ければ賊軍――。いつの世も相場は決まっている。 石破政権では裏金問題や旧統一教会問題で名前が出た議員は軒並み“冷や飯”を食わされることは確実だ。総裁選前の討論会では裏金問題について歯切れが悪かった石破氏だが、これは 「選挙前だから当たり前。下手に処分をチラつかせれば票が逃げていく」(同・永田町関係者) しかし名実ともに総裁になってしまえば、配慮は無用だ。 「石破氏は周辺に『まずは膿を出し切る』と明言している。次期衆院選で一部の裏金議員を公認しないことも考えられます。それと歴代最長、在職日数3188日の故安倍晋三首相による“アベ政治”の総括。自民党が生まれ変わるには避けては通れないと考えているようです」(前出・政治記者) これに反発する議員が自民党を割って出るという情報もある。どちらにせよ 「石破氏の政権運営はリスクをはらんでおり、ともすれば野党を含めた大規模な政界再編につながりかねない」(同・政治記者) という警戒感もある。決戦投票で敗北した高市氏のニラみつけるような鋭い眼光はさらなる波乱の予兆なのか……。
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