米国債「ベーシス取引」縮小の様相、運用会社が投資適格債に軸足移行
(ブルームバーグ): ヘッジファンドは米国債先物のショートポジションを急速に巻き戻している。米国債の現物と先物との価格差を利用して利益を得る「ベーシス取引」戦略のポジション縮小が進んでいることがうかがえる。
ヘッジファンドの米国債ショートが減少-ベーシストレード巻き戻しか
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストによると、ベーシス取引のポジション変更とそれに続く縮小が生じている理由には、資産運用会社が投資適格債に軸足を移している点も考えられるという。
メガン・スワイバー氏らストラテジストは11日のリポートで、米国債先物ポジション縮小はデュレーションロング縮小や、投資適格債の最近の発行と需要を踏まえた米国債先物から投資適格債へのファンドの軸足移行に起因している可能性があると指摘した。
ヘッジファンド、「ベーシス取引」への関心薄れる兆し-ドイツ銀
米商品先物取引委員会(CFTC)の5日までのデータによれば、レバレッジドファンドのネットショートデュレーションポジションは5週連続で減少。これは10年債先物85万枚、リスク1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)当たり約5700万ドル(約84億円)に相当する。この間に運用会社のネットロングポジションは10年債先物、約80万枚相当が手じまいされた。
直近1週間でヘッジファンドによるショートカバーが最も多かったのは10年債で、リスク1bp当たり740万ドルの買い越しとなった。建玉は2月29日と3月1日の取引で計12万枚減少しており、ショートカバーの大半はこの2営業日に行われたことを示唆している。
一方、JPモルガン・チェースの最新顧客調査によると、現物市場では米国債のネットロングポジションが1月末以来最大となっている。
SOFR Options Heat-Map
原題:Basis Trade Is Seen Dwindling as Asset Managers Pivot to Credit(抜粋)
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Edward Bolingbroke