日産ゴーン社長が三菱自会長に 益子社長と会見(全文1)不正問題は自力解決
日産自動車とは多くの分野でシナジー効果を期待
三菱自動車の復活を実現するために今後も日産自動車からはマネジメントチームへの支援をいただけるものと考えています。日産自動車では日産リバイバルプランを始めて、17年間のルノーとの提携で会社が大きく変わりました。販売台数も増え、収益力も大幅にアップし、新しい技術への挑戦も続けておられます。私どもはこの成功体験から多くのことを学ぶことができると期待しており、日産自動車の成功を参考にすることで17年をかけずにできるだけ早く、1歩でも2歩でも現在の日産自動車に近づきたいと考えております。 日産自動車とは多くの分野でシナジー効果を期待していますが、例えば以下のようなことがあります。購買ではベンチマーキング、原材料の共同調達などによる購買コストの大幅な低減を見込んでいます。生産では、水島工場で日産自動車からデファレンシャルギアの生産を受諾し、当社の生産ラインの稼働率を向上させます。開発では技術競争が激化している自動運転分野における共同開発、および今後より一層強化されていく各国の環境規制、安全法規対応に向けたプラットホーム、パワートレインの共同開発などを行うことで大きなシナジーを見込んでいます。 特に当社のプラグインハイブリッド技術は、アライアンス標準として日産自動車とルノーで採用されますが、これによる原価低減も見込んでおります。さらに、オーストラリアをはじめとするいくつかの市場では、日産自動車の販売金融会社とパートナーシップを組み、お客さまのオートローン、リース、ディーラー向けファイナンス等を提供してまいります。これらの活動は、販売台数の増加および収益拡大につながります。 シナジーは17年度以降、年間250億円以上の効果を見込んでおります。これらを実現することで当社の売上高営業利益率は1年目に1%、2年目に2%、3年目には2%以上上昇いたします。また、一株当たり当期純利益は1年目に12円、2年目にはおよそ20円増加する見込みであります。シナジーに関する打ち合わせはまだ始まったばかりであり、今後より広く深い取り組みを通じて、一層の成果を積み上げてまいります。 今回の資本提携により日産自動車は当社の筆頭株主になりますが、三菱グループ3社にも引き続き株を保有していただき、日産自動車と三菱グループの2つの大きな支えを柱に、ガバナンスと経営パフォーマンスの改善に取り組んでまいります。私はゴーンさんと三菱グループ3社にこのタスクを任されましたので、できるだけ円滑に、日産自動車出資後の新体制を軌道に乗せ、次の世代につないでまいりたいと考えています。新体制については当社を改革するために私どもから日産自動車にお願いしたものですが、三菱グループ3社も日産自動車による経営視点に賛同をいただいております。ご清聴ありがとうございました。 司会:それではQ&Aのセッションに移ります。ご質問の方、挙手とご所属、お名前、恐縮です、2問まででお願いいたします。それでは中央の、前から2番目の方です。その次、後ろの方まいりますので。 【連載】日産ゴーン社長が三菱自会長に 益子社長と会見 全文2へ続く