日産ゴーン社長が三菱自会長に 益子社長と会見(全文1)不正問題は自力解決
三菱自動車、益子社長からの報告
益子:ゴーンさん、ありがとうございます。5月12日にゴーンさんと一緒に資本提携に関する記者会見を行いましたが、その後デューデリジェンスを終え、独禁法関連の手続きも確認でき、日産自動車は本日、株式取得に関する払い込みを完了いたしましたのでご報告させていただきます。 4月21日にゴーンさんを訪ね、三菱自動車の開発部門の立て直しと会社の再建について支援と協力を要請いたしました。その後、協議の過程で自然と資本提携にも話がおよび、検討を進めてまいりましたが、本日無事に払い込みが完了したことに安堵しております。この6カ月間、三菱自動車には燃費不正問題があり、多くの方にご迷惑を掛け、信用も失うという自体に見舞われましたが、ゴーンさんからは必ずこの問題は克服できる、日産自動車も支援と協力を惜しまない。三菱自動車にも良いところ、強いところがいくつもあると、一貫して私を励ましてくれました。 また将来の会社のあるべき姿についても何度も話をしてきました。ゴーンさんの揺るぎない、そしてぶれない信念とリーダーシップ、戦略的な考え方があったからこそ、本日のクロージングを迎えることができたと思っています。ゴーンさんには三菱自動車の会長に就任していただく予定ですか、とても心強く思っております。 一方でゴーンさんからは燃費不正問題はあくまでも三菱自動車の問題であり、自分の力で解決するようにとも言われました。これは三菱自動車の経営の独立性、独自ブランドの維持という根本的な考え方から来ているものと受け止めております。燃費不正問題の再発防止に向け、日産自動車から来ていただいた山下さん陣頭指揮の下、改革を進めており、6月以前とは会社が大きく変わりつつあります。しかし信頼回復には時間もかかり、会社を挙げた一体感を持った取り組みが必要ですが、日産自動車による出資は三菱自動車の持続的成長に向けて大きな力になると思っております。 ルノー・日産アライアンスに全面的に参画することで、より選択と集中を進めることができるとともに、マネジメントチームの強化が図れるメリットがあります。経営陣を強化するために日産自動車にトレバー・マン氏の派遣を要請し、了解を得ましたので、トレバー・マン氏をCOOとすることも決断いたしました。トレバー・マン氏のこれまでの経験を生かし、身体性で改革と持続的成長を追求していくことになります。ゴーンさんと山下さんのほかに日産自動車から2名、合計4名の新しいボードメンバーを迎えることになります。また、私の下に新設のグローバルリスク担当役員を置き、コンプライアンスおよびリスク管理を統括してもらう予定です。これらの対応を行うことで信頼回復に向けた作業を加速させてまいります。