パレスチナの報じられない真実を堀潤が現地取材…東エルサレムで横行するイスラエル人による“入植”とは？

TOKYO MX（地上波9ch）朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」。「New global」のコーナーでは、キャスター・堀潤が今年6月に現地取材した東エルサレムでの現地取材レポートをお届けしました。 ◆東エルサレムで横行するイスラエル人の入植 今回、キャスターの堀潤は、イスラエルの東エルサレムへ。エルサレム旧市街は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、3つの宗教の聖地が集う場所ですが、本来ここはパレスチナ人の領地として認められていました。 しかし、その後エルサレムは分割統治となり、西側はイスラエル、東側はパレスチナの領地となるも、現在は東側もイスラエルが実効支配しており、堀は「エルサレム東側は、パレスチナの警察や軍もいない。ここで逮捕されたりするとパレスチナ人は誰も助けを呼べない」と現状を解説します。 そうしたなか、東エルサレムのパレスチナ人居住地域で最近じわじわとイスラエル人の“入植”が拡大。入植とは、暴力などで一方的に住む場所を奪う行為で、イスラエル人がパレスチナ人の家屋を破壊したり、家主がいない間に居座るなどの横暴が横行しています。 これに対し、パレスチナ人アーティストたちは現地の建物に目のペイントを施し、“私たちは見ている”というメッセージを発信。 いわゆるアーティビズムで抗議する一方、イスラエル側は各所に監視カメラを設置し、何か問題があればイスラエル当局が圧力を加えるといった状況に。そして、もしも家を奪われたことにパレスチナ人が抗議しようものならテロリスト扱いして逮捕されてしまうそう。 実際に今、イスラエルではパレスチナの若者たちが次々に逮捕・拘束されており、それに対しパレスチナ人は暴力には屈しないと逮捕時の様子を写真に収め、自分たちに正当性があることを世界に主張。“世界は何を見ているのか”と訴えています。 ◆堀潤、入植の現状に「目を向けてほしい」 今回の取材を総じて堀は、「“天井のない監獄”と言われるパレスチナ・ガザではハマスとイスラエル軍の戦闘が行われているが、現在は一方的にイスラエル軍の虐殺が続いている。ただ、この東エルサレムやヨルダン川西岸はハマスが制圧している場所ではない。にも関わらず、一般市民がさまざまな圧力に苦しんでいる。これは（ハマスが攻撃を開始した）去年の10月7日以降のことと言われているが、それは全く違っていて実は何十年と続けられてきた。そこに目を向けてほしい」と声を大にします。 ドイツ公共放送プロデューサーのマライ・メントラインさんは、堀の一連の解説を聞き、「（パレスチナ人が）なぜ家を取られるのか？」と疑問を呈すと、堀は「（イスラエル人は）一方的に家を壊し、壊した代金をパレスチナ人に請求したりもする。請求されたくなければ、自分で壊せと迫る。ここはイスラエルの土地だと主張している」と回答。 さらには、「（イスラエル人の間で）ここ（東エルサレム）の家を格安で提供するなど、どうもインセンティブが与えられているようで、入植者たちは民族的な思いではなく、それを目当てに、安く住めるならと住む人もいると現地の人が言っていた」とも。 また、モデルでタレントの藤井サチさんからは「（入植者たちは）壊した家に住むのか？ そこにまた家を建てるのか？」との質問が。これについて堀は、「そのままの場所もあるし、更地にして立て直すこともある」と言います。なお、堀によると、今年、過剰な入植に対しては、アメリカ・バイデン政権がイスラエルに注意したそうです。 一方、脳科学者で理学博士の茂木健一郎さんは、「僕が懸念しているのは、（エルサレムにある各宗教の聖地）岩のドームや嘆きの壁などの扱い。イスラエルの一番の強硬派は、そこを取り戻そうとしているが、もしもそれを行ったら本当に大変なことになる」と案じます。 この意見を受け堀は、「実は（エルサレムの旧市街地にあるイスラム教の礼拝堂）アル＝アクサー・モスクに去年10月上旬、ユダヤ教徒が5千人規模で押しかけ、礼拝のような行為をした。本来、イスラム教しか入ってはいけないところに（ユダヤ教徒が）入ってきたということで衝突が起きた。そして、去年10月7日のハマスの作戦は“アルアクサの洪水”と名付けられた。10月7日に至るまでの過程にも注意しなければいけない」と今回の発端・背景に関して言及。 キャスターの田中陽南は、パレスチナ人アーティストたちの“目のアート”が気になったようで、「やはり武力ではなく、“私たちは見ている”というメッセージ性、そうした発信に我々も目を向けないといけないと思う」と感想を述べていました。