羽生結弦さん「よっしゃー」4回転3本&3A2本成功の圧巻ノーミス演技「今までの中で一番」
フィギュアスケート男子で2014年ソチ、18年平昌五輪を連覇したプロスケーター、羽生結弦さんの単独ツアー「Yuzuru Hanyu ICE STORY 2nd “RE_PRAY” TOUR」の宮城公演が7日、セキスイハイムスーパーアリーナで開幕。地元で初開催となった。 「破滅への使者」では、試合さながらの緊迫感の中、6分間練習から入り、ジャンプなどを確認。大きく深呼吸し、確かめるように何度も小さくうなずく姿もあった。 曲が始まると、冒頭に美しい4回転サルコーを決め、続けてトリプルアクセル(3回転半)―2回転トウループを成功。単発の4回転トウループ、4回転トウループからの連続、最後には流れるようにトリプルアクセルを降り、圧巻のノーミスだった。20秒以上、観客のスタンディングオベーションが鳴りやまず、会場の熱量は一気に高まった。 この日は約2時間30分超えの、計12曲を熱演。満員5800人を魅了した。 昨年11月の埼玉から幕を開け、佐賀、横浜にて行われてきた単独ツアーは、次の9日開催が最終日となる。 ◆羽生さんに聞く ―「破滅への使者」では4回転3本を含むノーミス 「いやあ、良かったって。正直ちょっと、『よっしゃー』って。暗闇の中で『よっしゃー』ってやっていました。それも自分がなんとか頑張って、毎日ほんと競技を超えるくらい頑張って練習を毎日できているのは、やっぱなんとか皆さんにいい演技を見せたい、毎回、毎回よりよいものを見せていきたい、もっとうまくなって感動したって、何かを感じてもらえるような演技をしたいと思えるからであって。そういう期待をかけていただける、応援をしていただけることが、ほんとに幸せなことだなあってことをまた改めて感じています」 ―「破滅への使者」ノーミスは数少ない? 「あ、多分、今までの中で一番良かったですかね。ほとんど、どこにもほころびもなく、ね。ジャンプを全部決めきれたと思うので。いや正直、頑張って来て良かったなあって、もうその思いに尽きます。今は、はい」 ―宮城だからこそ、より良い演技を見せたいとおっしゃっていた。「破滅への使者」ノーミスで演じ切ったことは 「やはり一部のストーリーの中で、えー、どんどんその、自分があらがうことのできないつらさであったり、苦しみであったり、そういったものをあのストーリーのキャラは感じていて。そのシナリオのままにただただ、苦しみに飲まれていく。なんかそれは、ある意味ではなんか僕の中の経験として、その、震災であったり、そういったもうほんとに自分の力ではどうしようもない、あの震災というものを経験したからこそ、出てきた物語なのかなっていうふうにも今、こうやって振り返りながら思っています。ある意味では、だからこそこの地元で、その苦しみにあらがいながら、でも、うん。立ち向かって、その壁を越えていきたいっていう強い気持ちも出したいな、と思いましたし。あれがあるからこそ、2部の祈りが届くような気もしていたので、ほんと全部、全部込めて、うん。演技出来たと思っています」
報知新聞社