「ほめると子どもが調子に乗る」は正しい? ”ほめ育”保育園が実践する才能を伸ばす声掛け
子どもは褒められて伸びるもの。しかし「ほめてばかりで大丈夫なの?」と不安に思う親御さんもいるかもしれません。親が身につけるべきほめ方について、「日本一ほめる保育園」として知られるげんきこども園理事長の向井秋久さんの書籍『子どもが伸びるほめ方 子どもが折れない叱り方』から紹介します。 【マンガ】「子どもの「かまって」攻撃にイライラ! アドラー流の親の上手な対処法 ※本稿は、 向井秋久[著]、モチコ[イラスト] 『子どもが伸びるほめ方 子どもが折れない叱り方』(Gakken)から一部抜粋・編集したものです。
子どもは調子に乗らせて伸ばす
【ほめるとお世辞は違う】 ときどき「ほめると調子に乗るのでほめません」という親御さんがいますが、じつにもったいないことです。どんどんほめて調子に乗らせれば、子どもはどんどん伸びていくからです。 大切なのは結果をほめるのではなく、努力や工夫をほめることです。お世辞のように表面だけを見てほめる、成果を出したからすごい、のではなく、がんばったからすごい、努力したから成果がでた、という方向で調子に乗らせれば、自分から進んで努力をする子になるのです。 お世辞とほめ言葉は違います。お世辞は、そこに損得勘定、計算があって、見返りを求めるものです。ほめるときには、特に見返りを必要としません。
【子どもを伸ばすためにほめる】 どうしても目先のことに意識が向いてしまいがちですが、ほめる目的を見失わないことも大切です。ほめるのはお子さんを伸ばすため。評価するためではありませんよね。 私たちの園では、指導に跳び箱を取り入れていますが、跳び箱の高い段をクリアすることが目的ではありません。子どもたちは、跳び箱に挑戦することを通じて、いろいろ工夫したり努力をしたりすることを体験します。工夫や努力を楽しむのは、人間にとってとても大事なことです。それを体感してもらうための跳び箱です。 それがわかっていないと、誰かに発表するための跳び箱、その子のできを評価するための跳び箱になってしまいます。 結果だけをほめられると、お子さんは誰かが見ているときにしかいいことをしないようになります。ほめられるために結果ばかりを追い求めるようになってしまい、次第にしんどくなっていってしまうでしょう。