「日本の洋画」パリで見てほしい 画家の金澤さん(富山県入善町)個展、富山の花鳥風月を写実的に
油彩画家の金澤孝二さん(77)=富山県入善町入膳=が、29日からフランス・パリで個展を開く。富山の花鳥風月を写実的に捉えた作品など約20点を展示する。洋画と日本画の技法を織り交ぜた表現を得意としており、「ジャポニズムの影響を受けるパリで『日本の洋画』がどのように見てもらえるか楽しみ」と期待している。 入善町で生まれ育った金澤さんは、中学生の頃から油絵を描き、魚津高校を経て金沢美術工芸大で洋画を学んだ。印刷会社などで働いた後、20代のうちに画家として活動を始め、41歳で魚津市の山あいにある御影地区でアトリエを構えた。これまで上野の森絵画大賞展で入選したほか、県内外で数多くの展示会を開いてきた。 今回の個展は、フランスで2013年から続く日仏交流事業「ジャパンモーメント」の一環。金澤さんは運営元のジャパンプロモーション(東京)から推薦を受けた。会場はルーブル美術館に近い老舗画廊「エチエンヌ・ドゥ・コーザン・ギャラリー」で、会期は11月5日まで。
金澤さんは、洋画の古典的な描法と日本画の伝統的な装飾技法を合わせた表現による緻密な筆致と豊かな色彩が持ち味。作品には花や果物を中心とした静物画、立山連峰や田園を描いた風景画などがある。パリでの個展では果物や夏の花と共にカワセミを描いた近作「秋果-ブラックシャイニング」などを並べる。 フランスでは19世紀後半、近代画家らが浮世絵などの日本美術を取り入れる「ジャポニズム」が流行した。金澤さんは「現代のジャポニズムを感じ取ってもらえるとうれしい」と話している。