米オレゴンの空港、旅行のストレス緩和のために「ラマ」と「アルパカ」を配置(海外)
アメリカのオレゴン州にあるポートランド国際空港は、ストレス緩和策としてラマやアルパカをターミナルに配置している。 旅行に対して不安を感じる人は少なくないし、飛行機に乗り遅れるのではないかといった恐怖心は精神状態を悪化させる可能性がある。 アニマルセラピーは不安を和らげ、気分を高めるホルモンの分泌を促すようだ。 アメリカのオレゴン州にあるポートランド国際空港は、ちょっと変わったアニマルセラピーを提供することで、利用者の不安を和らげようとしている。 NPRによると、ポートランド国際空港はMountain Peaks Therapyと提携し、数週間ごとにラマやアルパカをターミナルに配備することで、"空の旅"に伴うストレスを軽減してもらいたいと考えている。 ワシントン州リッジフィールドにあるこの農場では5頭のラマと6頭のアルパカを飼育していて、乗客と落ち着いた態度で接することができるという。公式サイトによると、その貸し出し料は1頭につき1時間に約650ドル(約9万9000円)だ。 アニマルセラピーは、さまざまな精神疾患と闘っている人々に対して軽度から中等度のポジティブな効果をもたらすとの研究結果がある(ただし、その有効性についてはさらなる研究が必要とされている)。 UCLA Healthによると、アニマルセラピーは気分を高めるホルモンの分泌を促し、不安を軽減し、「幸せな気晴らし」を提供する。 これまでの研究の大半は、ロンドン・スタンステッド空港やイスタンブール空港など、空港での利用が増えているセラピードッグに焦点を当てたものだ。 犬に比べるとラマやアルパカの利用は珍しいものの、これは空の旅に伴うストレスを和らげることを目的とした取り組みの1つに過ぎないとPort of Portlandの広報担当者アリソン・フェレ(Allison Ferre)氏はNPRに語った。 NPRによれば、空港のデザインに"木"を取り入れることもそうした取り組みの1つだという。 Business InsiderはPort of Portlandにコメントを求めたが、回答は得られなかった。 アメリカでは他にも、デンバー国際空港に世界最大のアニマルセラピー・プログラムがあり、2021年にはギネス世界記録に認定されている。 空港ラウンジへのアクセスを提供する「プライオリティ・パス(Priority Pass)」が2019年にイギリスの利用者を対象に実施した調査の結果、旅行に関する最大の不安は、空港に向かう途中での立ち往生、ロストバゲージ、乗り遅れ、パスポートの置き忘れだった。 市場調査会社ミンテル(Mintel)はBusiness Insiderの取材に対し、2022年に調査したアメリカの空港利用者の半数近く(45%)が空港の混雑が大きなストレスのもとだと答えているとコメントした。 アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、旅行に関連したストレスは、うつ病や不安症などの精神疾患の既往歴がある人にとって、トリガー(発症の引き金)になることがある。
Joshua Nelken-Zitser