若者の公務員離れ 学生の36.7%が「公務員を志望したことない」 志望度向上には「給与の上昇」や「労働時間の見直し」が必要か
就活サイト「ONE CAREER」を運営するワンキャリアは、近年「若者の公務員離れ」が多数のメディアで報じられている現状を受け、2024年卒・2025年卒の大学生・大学院生向けに、公務員に関する調査を実施し、結果を公表した。
1.学生の36.7%が「公務員を志望したことはない」と回答
「公務員への就職を志望していたことはあるか?あるいは現在、公務員を志望しているか?」という質問に対して、全体の36.7%が「志望したことはない」と回答。
LINEリサーチが実施した調査では「国家公務員・地方公務員」が「高校生のなりたい職業」の1位となった一方、大学生の約4割は志望したことがないという結果となった。
2.「過去に公務員を志望していたが断念した」学生は25.0%。断念の理由は「公務員試験の受験」が最多の56.7%
1の質問に対し「過去に公務員を志望していたが断念した」学生は25.0%となっており、断念した学生に理由を聞いたところ、「公務員試験を受験するのが面倒だから」という回答が最も多く56.7%、続いて「公務員試験が難しいから」が46.7%となった。
「給与が低いから」や「労働時間が長いから」といった給与や働き方よりも、公務員試験というハードルが公務員への思いを阻む要因になっていることがわかる結果となっている。
3.公務員を志望している・志望していた理由のトップは「社会の役に立ちたいから」
1の質問にて「志望して、4月から公務員として働き始める」「現在、志望している」「志望していたが断念した」と回答した学生を対象に、「志望していた、または志望している理由」を尋ねたところ、「社会の役に立ちたいから」が65.8%と最も多い結果に。
次いで「安定しているから」が57.9%、「地元で働きたいから」が36.8%と続き、社会の役に立ちたいという思いや地元で安定した仕事に就きたいという学生が公務員を志望することがわかった。
4.公務員への志望度向上の決め手は「給与の上昇」が66.7%、次いで「労働時間の見直し」が45.0%
「公務員の労働環境がどのように改善されれば、あなたの公務員志望度は上がるか?」という質問に対しては、「給与の上昇」が最も多く66.7%、次いで「労働時間の見直し(長時間労働の改善)」が45.0%と続く。
この結果の背景には、昨今の物価高が生活に影響を与えていることのほか、民間企業における賃上げや初任給引き上げに関するニュースが度々報じられる一方で、公務員に関しては給与が伸び悩んでいる事情があると同社は考察している。